2019年12月31日火曜日

吉岡ひろ子だより第2号(2019年12月発行)ができました

吉岡ひろ子市政事務所は吉岡ひろ子だより第2号を発行しました。2019年第3回定例会(9月17日~10月28日)までの報告です。ぜひご覧ください。
表面
裏面
こちらをクリックしていただくと、PDFでもご覧になれます。















2019年12月21日土曜日

唯一の野党として

 12月11日で、第4回定例会が閉会し、3度の定例会を経験しました。
 今回の議会では、建設委員会で、「オリンピックマラソン・競歩の道路舗装工事」など4回の質問討論を行いました。
 一つひとつの質問を作るために、議会が始まる2週間前位から閉会まで、悪戦苦闘の毎日です。
 今議会に提出された議案に「国民健康保険証のかわりにマイナンバーカードを使えるようにするための、システム改修費」という議案がありました。
 国はマイナンバーカードの普及率が13%と低いことから、「マイナンバーカードを使えば、高額医療の手続きをしなくても自動的に適応される」という「アメ」を用意して、普及を狙ったものです。
 個人がどこの病院でどんな薬を服用したなどの個人情報が、ひと目で閲覧できます。その情報がビッグデータに連結し活用され、集約された情報が漏洩されれば被害は深刻です。この議案に反対したのは共産党10人と市民ネット1人だけでした。
 秋元市長は「都心アクセス道路」に象徴的ですが、市民にとって良いことかというより、国が進めることにまっさきに手をあげます。
 市議会では、唯一野党の日本共産党会派だからこその緊張感があることが、3回の議会を通じて実感できました。

(12月18日 記) 

第4回定例会の市政報告会で発言する吉岡市議

第4回定例会 12月9日建設委員会 借上市営住宅2団地の廃止について質問と反対討論

 2019年12月9日の建設委員会で、議案第21号「札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案」について質問。同議案に対し反対討論を行いました。質疑を文字起こしで紹介します。


【吉岡委員】
 私は議案第21号「札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案」について質問いたします。

 西区MILD発寒20戸と中央区シビックコート苗穂30戸の2団地の借り上げ市営住宅が本年度で満了の20年を迎えました。本市では借り上げ住宅28団地に1178戸が住んでいますが、満了となるのはこれがはじめてとなります。

 そこで質問ですが、2か所の借り上げ住宅の最後の募集の募集戸数と時期、応募倍率を伺います。


【山形住宅担当部長】 
 募集停止前年の応募数と倍率というご質問でございます。
今年度に返還を迎えるMILD発寒とシビックコート苗穂駅前、募集停止前に最後の募集は平成27年度冬季募集でございました。その際の応募状況でございますが、MILD発寒は3戸を募集して応募倍率は14倍。シビックコート苗穂駅前は2戸を募集して応募倍率は16倍でございました。

【吉岡委員】
 2018年には移転しておりますから、2年から3年しか住めなくても倍率は14.3、16倍と5戸の募集に75件の申し込みがあったことがわかりました。

 次にMILD発寒とシビックコート苗穂に住んでいた方の移転先について伺います。

【山形部長】
 お住まいの方の移転先ということについてでございます。
今年度に返還を迎えますMILD発寒とシビックコート苗穂駅前の入居されていた方の移転先でございますが、大半が市営住宅でございまして、次に民間賃貸住宅や施設、持ち家の購入という方もいらっしゃいました。なお移転先の市営住宅は東区の光星団地や厚別区の新さっぽろ団地など利便性がよいところを中心に市内各区の団地にございます。

【吉岡委員】
 お聞きしたところMILD発寒のうち20戸のうち18戸。シビックコート苗穂30戸中23戸が市内の市営住宅に移転しているとのことでした。この2団地から市営住宅に転居した41戸中、同じ行政区に移ることができたのは2世帯だけで、ほとんどの元入居者は、住み慣れた地域を離れざるを得ませんでした。最初から住んでいた元入居者は、20年間この地域で近所づきあいやボランティア、自治会などのつながりがあったわけです。最初からそのような契約とのことですけれど、20年間積み重ねた地域のつながりを絶たなければならなかったわけです。

  我が会派の代表質問でも取り上げましたように、本市の市営住宅の借り家総数にみる割合も政令市平均約8.7%と比べ、本市は6.7%と下回っています。

 築20年の建物ですからまだまだ住むことは可能であり、廃止するのではなく、借り上げ期間を延長するなど、住み続けられるようにすべきです。 

 公営住宅法はその目的を、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与すると定めています。その趣旨にのっとり、借り上げ市営住宅は延長することと合わせ、絶対数の足りない市営住宅の建設こそが急がれるべきと申し上げまして私の質問を終わります。
質問はこちらからお聞きになれます。

 【吉岡委員】
 私は日本共産党を代表し、議案第21号「札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案」に反対の立場で討論を行います。

 この条例案は借り上げ市営住宅であるシビックコート苗穂駅前およびMILD発寒南区について賃貸借経営の満了にともない用途廃止等を行うものです。

 質疑ではこの2団地について、2015年の最後の募集ですら14倍、16倍の応募があり、2団地の需要の高さは明らかになるとともに、市営住宅に転居した元入居者41名中同じ行政区に移ることができたのは2戸だけでほとんどの元入居者は、住み慣れた地域を離れています。築20年の民間アパートは十分住むことは可能ですから、本市の判断で延長するべきです。

 本市は住宅マスタープラン2018で市営住宅の総量を抑制するという方針を掲げ、借り上げ市営住宅については、今後11年ですべて返還し、1178戸もの市営住宅をなくそうとしています。しかし本市においても貧困の広がりや低年金、単身の高齢者が増大していくなど、住宅に困窮する市民が増えていくのは明らかです。

 公営住宅法はその目的を、住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することと定めています。その趣旨にのっとり、借り上げ市営住宅は延長することと合わせ、市営住宅の政策に増設を位置付けるべきです。よって議案21号には反対です。


反対討論はこちらからお聞きになれます。


2019年12月14日土曜日

12/8里塚霊園隣接地域の説明会

 「盛り土」案を主張する札幌市と、「盛り土では安全性に不安がある」と考える住民の間に大きな亀裂が残った説明会から、3カ月ぶりに開かれた住民説明会で、地盤改良として、「里塚霊園緑地帯に、隣接宅地との高低差を解消する抑え盛り土」が合意されました。

住民説明会が行われた里塚町内会館

 市の担当者から、パワーポイントと紙の資料を使って、被災状況や、霊園緑地の地盤沈下被害のメカニズムの説明、前回の説明会で出された複数の不安・疑問について一つひとつ回答がされました。

押さえ盛り土のイメージ図(説明会資料より)

 会場からの対策土の効果や「盛り土」に使う改良土や、境界線のこと、宅地の地盤改良のための宅地復旧支援制度についての質問に受け答えがされ、工事のスケジュールが確認されました。

今後の想定スケジュール(説明会資料より)

 文書関係の取り交わしを経て、来春5月から霊園緑地の桜の木が伐採され、6月には盛り土工事に着工します。セメントが混入された改良土で盛り土するため、樹木は生育できなくなるとのことです。

 来春は、住民のみなさんに愛でられ成長してきた桜が最後の花を咲かせます。

 胆振東部地震から1年3カ月、住民のみなさんが力を合わせ大きな山を越えました。

 説明会後、安堵の笑顔を見せる住民のみなさんと久しぶりに会話をしました。
(12月10日 記) 

※里塚霊園隣接地の説明会資料は市のホームページに掲載されています。こちら からご覧になれます。

2019年12月6日金曜日

笑顔で

 今年もあとわずかとなり、何かと気ぜわしい師走を迎えました。

 毎年12月初めに取り組んでいる「清田区SOSなんでも相談会」が7回を重ね、今年も開くことができました。
きよたSOSなんでも相談会の相談員のみなさんと吉岡市議(右から3番目)

 「SOS相談会」は、2008年暮れ、リーマンショックのあおりで失業した派遣労働者や有期労働者を暮れから年始めにかけ食事や寝泊まりする場所などの支援をして相談活動を行った「年越し派遣村」に端を発しています。

 先行していた行政区の経験を参考にしながら、生活と健康を守る会や新婦人、民商、年金者組合などの団体と始めたのが2013年でした。

 相談内容は相続、近所のトラブル、年金など様々です。

 今年も相談に見えた方が「色んな方に相談できてストレスが和らぎました」「少しがんばってみます」と笑顔で変える姿に励まされました。
相談待ち人数をわかりやすくタブレットで表示する工夫も

 また、実行委員同士がコーヒーやお茶を飲みながら交流するのも楽しみのひとつです。

 国会では「桜を見る会」疑惑で、安倍政権が私利私欲の醜態をさらけ出しています。

 私利私欲を越えた人間らしいつながりこそが、今の社会に必要な気がします。

 相談会の開催に向けて、たくさんの人たちが持ち味を活かして力を合わせました。


 白石区や東区からも応援に来て頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
(12月3日 記) 


2019年11月29日金曜日

釧路湿原

 先日2日間お休みを取って釧路に行きました。

 高校の友人と、叔母のところに足を運びました。

 88才の叔母には数十年会っていなかったのですが、相変わらず話し好きで政治にも興味があって、「よくきてくれたねぇ」と喜んでくれました。

 友人は2015年の市議選の事務所開きの時に釧路から来て、応援のスピーチをしてくれ、彼女が娘さんとレストランを開いたというので常々行きたいと思っていました。

 住宅街にある彼女のお店で、ふっくらしてボリューム満点のハンバーグ定食とハーブティーを頂いたあと、居酒屋で2時間ほど語らいました。

 2日目は釧路湿原国立公園に行きました。

 展望台からは晩秋の湿原が見渡す限り広がり、鏡のような沼が陽の光を反射しています。遠くには阿寒の山々が望めました。

 6千年前には縄文人が住み、湿原は海だったといいます。

 2羽の丹頂鶴がダイナミックに戯れながら飛び、広大な湿原と木々の香りに、体中の細胞が入れ替わったような感覚を覚えました。

 今週は28日から始まる議会準備のため、質問原稿作りや会議、部局との打ち合わせなどで追われる毎日。

 時折、叔母や友人の笑顔、釧路湿原の風を思い出します。

(11月26日 記)

2019年11月24日日曜日

デニー知事トークキャラバン

「デニー知事トークキャラバンin札幌」に参加しました。
市役所17階にある市議団の控え室を出て、地下街でおにぎり一つ買い、会場に向かいました。
会場は階段に座る人、立って聴く人もいて1300人入った会場は熱気に溢れていました。
明治12年に沖縄県が設置され、太平洋戦争後まもなく、住民が米軍に収容されている間に、居住地は普天間基地にされてしまった歴史から現在までを説明して頂きました。
辺野古の新基地の工事は埋め立て土砂量でみると1%しか進んでいないとのことです。
この「現状報告」をしたのが、「沖縄県辺野古新基地建設問題対策課」の職員です。
沖縄県あげて、沖縄の基地のことを全国に発信する姿勢が伝わって来ます。
大きな拍手で迎えられた玉城デニー知事は、県民のよりどころである、首里城再建のための支援金が、5億円寄せられた事と決意をのべました。
自らの生い立ちも語りながら、沖縄の基地の問題は沖縄だけの問題ではない。自らの問題ということを伝えたい、と強調しました。
札幌の面積1120平方㌔㍍。沖縄県1200平方㌔㍍。札幌より少し広い沖縄に全国の7割の基地がある――このことを、一人ひとりが自分に引き寄せて考えなければなりません。
(11月20日 記)

2019年11月19日火曜日

事務所でつどい

 わたしの事務所で11日初めて「つどい」が開かれました。

 公園のトイレの設置や、公園の草取りなどの管理ボランティア、除排雪、そして清田区内の交通アクセスのことなどが話題になりました。

 公園も他のインフラと同じように老朽化が進み、札幌市は「みどりの基本計画」(案)の中で、近隣に同じような公園がある場合は、地域のニーズに合わせ特徴ある公園にしていく方向です。集約化もあるといいますから、公園がなくなることも考えられます。

 トイレについても、利用が少ない場合には、公園を作り替えるときに 撤去するといっています。

 市内に22万本ある街路樹は2割が老朽化するといい、地域では大量に伐採されている事例もあります。

 住民にとって、危険な状況の場合には、伐採もやむを得ないのですが、二酸化炭素を吸収し温暖化防止にとって有効な「みどり」は私たち共有の財産です。

 国連が呼びかけた「持続可能な開発目標SDGs13」では「気候変動に具体的な対策を」とありますが、札幌市は目標を掲げていません。

 郷愁を誘うギターとマンドリンのすてきな演奏に心なごませ、「つどいを気軽に時々やりましょうね」とお開き。

 窓越しの北野の街はすでに夕暮れにさしかかっていました。


(11月11日 記) 

第3回定例会 11月5日建設委員会「第4次札幌市みどりの基本計画」について

2019年11月5日(火) 建設委員会
「第4次みどりの基本計画 」について


【吉岡委員 】
私からも、いくつか質問させていただきたいと思います。本計画では、札幌市における森林、草地 、農地、公園緑地、河川や湖沼池、民有地を含めたすべての緑化された場所を、「みどり」と定義しています。

「みどり」は自然環境の保全や、地球温暖化防止、地域コミュニティの世代間の交流、生活に季節感やうるおいをもたらすだけでなく、森林土壌の働きである水源の涵養や、土砂災害防止などの役割や、都市公園は地域コミュニティの形成や子育て、災害時においては避難場所、救援拠点など多面的な役割をはたしています。私たちが生きていくうえで、かかせない貴重な共有財産です。

基本計画第1章には「みどりの基本計画」とは、緑地の保全や緑化の推進に関して、その将来像、目標、施策などを市町村が定める基本計画ですと書かれています。
第2章「現状と課題」には「SDGs 達成に向けた取り組みを進める」とあり、SDGs13は「気候変動に具体的な対策を」と掲げられております。

➀そこで質問ですが、
札幌市の「みどり」が、二酸化炭素の吸収・固定による地球温暖化防止の機能として、CO2削減にどのくらい貢献しているか?また目標を設定するお考えはないのか伺います。

【齊藤 みどりの推進部長】 
「みどり」の機能には様々なものがあり、その一つである二酸化炭素の吸収、固定による、地球温暖化防止機能は、近年、地球温暖化問題が深刻する中、非常に重要なものと認識しているところでございます。

「みどり」が二酸化炭素削減にどの程度貢献しているかにつきましては、樹林地、草地、農地など、「みどり」の種別や生育状況などにより、効果が異なり、残念ながら現在のところ、 正確な数値の把握は困難な状況でございます。

そこで本計画におきましては、「みどり」の量について、現況値以上確保することを目標としたうえで様々な施策を実施し、「みどり」の保全創出に取り組むことにより、二酸化炭素の削減につなげていきたいと考えているところでございます。以上でございます。

【吉岡委員】
大変把握が難しいということでしたけれど、札幌市の森林など「みどり」が、どのように地球環境改善に貢献しているか、目標とか目安とかそういう現状はどうかということを市民が認識することが実際の行動につながっていくと考えます。
(環境局とか)一部の部局とかではなくて、札幌市全体の共同の目標として、 ぜひ、何らかの形で目標をつくることが必要だと考えますけれども、あらためて目標を持つべきと考えますが、いかがか伺います。

【齊藤 みどりの推進部長】
 今現在の状況からいえばですね、やっぱり残念な状況にあるということで、なかなかそういった数値目標を設けることは難しい、ということはご理解いただきたいと思います。ただ、今後いろいろな手法とかですね、研究成果がでる中でですね、可能であればですね、我々としても数値目標を持つこともですね、検討していきたいと考えております。以上でございます。

【吉岡委員】  
 今、環境問題は本当に人類の死活的課題となっています。温室効果ガスの吸収源対策を推進するためには都市緑化が重要な役割を担っておりますから、具体的に目標をたて見合った施策をすべきだと思います。一本一本の木が果たしている役割や、緑地が果たしている役割を市民が認識するために、しっかりとした目標をなんらかの形で持つべきだと申し上げたいと思います。

 次に第2章の「現状と課題」についての質問です。
札幌には約23万本の街路樹が整備されておりますけれども、「街路樹の老齢化、維持管理の困難化」が課題としてあげられています。都心や市街地の街路樹は、住民にうるおいと安らぎや日陰を提供するものです。
「街路樹の老齢化」の対応については、地域住民と十分な協議をすべきで、安易に伐採すべきではないと思いますけれど、本市の考え方を伺います。

【中西 みどりの管理担当部長】
 街路樹の取り扱いということだと思うんですけれども、街路樹につきましては、倒木などによります被害を未然に防止いたしまして、市民の安全を確保するために、危険と判断したものは植え替えを行ってるところでございます。

このうち日常的な巡視点検で緊急性を要するものは、早急に伐採を行っています。また、老齢化して樹木が衰えたり、腐れがすすむことで倒木リスクが懸念される街路樹の路線につきましては、樹木医に診断を依頼しているところございます。その結果、危険と判断されたものは、一定期間看板を設置するなど、地域住民の皆様に周知した上で伐採しているところでございます。

あとこのほかにも、札幌市街路樹基本方針に基づきまして、幅の狭い歩道に植栽されている街路樹を撤去する場合には、町内会ですとか地域の皆様と協議を行いまして、理解を得たうえで実施してるところでございます。今後も地域の理解を得ながら街路樹の適切な維持管理につとめてまいりたいと考えております。以上でございます。

【吉岡委員】
 緊急を要するものなど、地域と話し合いを進めて伐採していくというお話でした。
ある地域では、除雪のさまたげになるからといって、街路樹が55本伐採されたということになって、あとになってから、「小学校の児童たちの通学路で暑い日には日陰が大事な役割をはたしていたとか、また交通事故から子ども達を守るためにも必要だった」などの声が地域から出されたということも聞いております。

2割の街路樹が危険木と診断されていると基本計画案にありますが、植える際には10年20年先を見据えてどんな種類の木を植えるか、どのように維持管理するか、そういうことが長寿命化につながると思います。地球温暖化防止に街路樹の果たす役割などの周知をどのようにするかも、「街路樹の現状・課題」を考える上で求められていると思います。

 次に生物多様性の対応について伺います。草地は生物多様性の観点から重要とのことですけれど、これまで調査・評価がされてこなかったとありますが、必要性をどのようにとらえているのか認識を伺います。

【齊藤 みどりの推進部長】
 生物多様性につきましては、札幌市内に生息する動植物の種類など、個々の生態系に関する情報が少ない状況にありますので、生物多様性札幌ビジョンの中でも、札幌市における生物多様性に関する調査、モニタリングなどによる科学的知見の充実が課題としてあげられております。そのような課題の対応策の一つとして、環境局では市民の皆様から野生生物の生息・生育状況を報告していただく市民参加型の生き物調査である札幌生き物探しプロジェクトなどの生物調査を行っているところでございます。みどりの推進部といたしましても調査の必要性については認識しており、環境局の取り組みなどに協力していきたいと考えております。以上でございます。

【吉岡委員】
次に「施策の方向性」について2点伺いたいと思います。
一つは「利用の少ない公園トイレ」は「公園利用状況や周辺地域の実態把握を行い、更新時に廃止を前提に検討します。」と「方向性9」のなかに書かれております。安心安全な地域づくりをするためにも、「利用の少ない公園トイレ」に対して、「廃止を前提に」ではなくて、慎重に考えるべきと思いますが、地域住民の声をどのように聴くのか伺います。

【齊藤 みどりの推進部長】
街区公園のトイレ廃止の考え方についてお答えします。 公園からおおむね半径250メートル以内にお住まいの方を主な利用者と想定する街区公園におきましては、トイレの利用が少ないケースが多いことから、 老朽化が進んだ際には、原則として利用の多いトイレを除き、更新せずに廃止することとしております。具体的な存廃の判断にあたりましては、利用者数を調査するとともに、配置バランスなどもふまえて検討する考えでございます。また、地域に対してはこれらの調査とともに存廃の考え方について丁寧に説明し、地域住民の理解を得ながら進めていきたいと考えているところでございます。以上でございます。

【吉岡委員】
トイレは必ずしも近くに住んでいる方だけが使うわけではありませんし、タクシーの運送関係の方々、また、お散歩の方など幅広い方々に利用されていると思います。ましてや今、高齢化のもとで、公園のトイレというのは本当に日常生活を送るうえで必要な設備となっています。拙速な判断をされないよう求めていきます。

最後の質問になります。都市公園法改正(2017年)によって、新たに設けられました、公募設置管理制度(Park-PFI)によって、公園内に飲食店や売店等の施設の設置が可能となり、公募で選ぶとあります。
本市の計画におかれましても、中島公園や百合が原公園、手稲稲積公園、農試公園が対象となって、調査も行っています。公募設置管理制度を取り入れたことによって、本来の公園の役割をこわすようなことになってはならないと思いますが、いかがか改めて伺います。

【齊藤 みどりの推進部長】
札幌市では公園の個性や特徴などとの調和が保たれ、また、公園利用者の利便性向上などに資する施設の設置が望ましいと考えており、具体的には昨年度実施したサウンディング型市場調査においても、提案の多かったカフェ、売店などの小規模な施設の設置を想定しているところでございます。
以上でございます。

【吉岡委員】
カフェ、売店などの設置を考えていらっしゃるということでした。奈良公園に、ホテルが建てられるということになって、公園の自然と景観が壊された、として「設置許可の取り消し」を求める住民訴訟が今、係争中となっています。
市民に「うるおい」や「やすらぎ」、地球環境の改善をもたらす「みどり」がもうけの対象になってその役割を損なうことがないよう強く申し上げまして私の質問を終わります。

11月5日の建設委員会の音声はこちらからお聞きになれます。



第3回定例会 11月5日建設委員会 札幌市冬みちプラン2018について

 2019年11月5日(火)建設委員会 「札幌市冬みちプラン2018」実行プログラム(案)について
建設委員会で質問する吉岡市議

【吉岡委員】 
 私からも「札幌市冬みちプラン2018」実行プログラム(案)について質問したいと思います。

 その前に一言だけ。先ほど除雪グレーダーの一人乗り化についてのお話もありました。一人になるということは、本当に注意力、神経の使い方が全く二人でやるのとは違うと思います。安全装置を付けたとしても危険はともないます。事故にまで至らなかったとしても、作業している方の労働強化にもつながると思いますし、いろいろな面での課題がないかということを含めて、ぜひ慎重に進めていくことを求めたいと思います。

 それでは質問に移りたいと思います。代表質問でも申し上げましたけれど、本市が行う市民の意識調査では、ほぼ毎年1位が「除雪に力を入れてほしい」というものであって、 除雪や排雪に対する苦情や要望は毎年2万件を超えています。

 パートナーシップ排雪制度を利用していない町内会からは「制度を利用したくても高額のため利用できない」、「利用している複数の町内会からは、地域支払い額の費用負担見直しの要望書が提出されております。

 冬みちプランには地域支払い額を軽減することを目的に、2017年3団体、2018年には40団体で実証実験を行い、今年度は100団体で実験を行うとされております。

 冬みちプランの中には、「現行断面」として、現在の排雪基準と実証実験をするパターン、「残雪厚」として現行より厚く残すパターンが書かれております。
実施内容や実施目標には、「実証実験を拡大するなど、地域の費用負担額を抑えた新たな選択肢を加えた制度運用の見直しをすすめます」と、あります。2020年には選択制の開始となっています。

冬みちプランには書いておりませんが、実証実験結果のまとめをみますと、地域住民に行ったアンケートには「現行断面のほかに、排雪量を抑え、地域支払い額をこれまでの7割程度に軽減」と書いてあります。

現行断面より実証実験のパターンは、雪を厚く残すことでわだちを作りやすくするものです。排雪の質は確実に低下し悪くなります。

➀そこで質問です。
パートナーシップ排雪実証実験の実行プログラム(案)では「費用負担を抑えた新たな選択肢を設ける」と書かれ、実験内容・実施目標には「2020年度から選択制を開始する」となっています。「選択制の開始」とは、何と何を選択するのか伺います。

【土井 雪対策室長】
 ただいまのパートナーシップ排雪におきましての2020年から運用開始を予定している排雪断面の選択制についてお答えいたします。
パートナーシップ排雪制度を利用する地域におきましては、
現行の排雪断面、もしくは運び出す雪の量を抑えたあらたな排雪断面、いずれかを選択していただくようなことで考えております。来年度から選択することのできる新たな排雪断面は、今年度の実証実験の検証結果をもとに検討することになりますけれども、地域の費用負担を軽減する観点から、地域支払額は現行断面の7割程度となる見込みと考えております。以上でございます。

 【吉岡委員】
 昨年度の実証実験をしたある町内会では、「こんな排雪のやり方じゃザクザクになってダメだ。来年からはもとに戻そう」との声があがったそうですが、そうすると「町内会はお金がないし、町内会員から集める分を引き上げよう」という声や「引き上げはとんでもない」という声もあって、町内会では頭を抱えているということを聞いております。

 実証実験の除雪業務にあたった除雪事業者からは、アンケートをとったと伺っておりますけれども、除雪事業者からは、どのような声が寄せられているのか伺います。

【土井雪対策室長】
実証実験後に行いました、除雪事業者の声ということでお答えいたします。
 除雪事業者の方からは、2月中旬以降の暖気の影響もありまして、「施工時の気象状況などで20センチの圧雪を残すことは困難」との意見や、「春先のザクザク処理の作業が増加する」といったご意見がありました。以上です。

【吉岡委員】 
そのほかにも「作業完了の判断が難しい」とか、地域の不公平感を生じさせやすい」そういった声もいわれていると聞いております。 業者の方も本当に大変だったという事がわかります。
 今年度も実証実験を行いますけれども、これらの声にどのように対応するか伺います。

【土井 雪対策室長】 
 今年度の実証実験断面の一つであります、路面に雪を多く残す排雪断面におけます対応についてお答えいたします。
昨年度は路面に雪を多く残す方法と、削って道路わきに残す、二通りの選択を可能としておりましたが、今年度は、どちらかの希望は聞き取るものの、気象状況によりまして施工者側で施工方法を判断できるような、そういう仕組みにしてまいりたいと考えております。以上です。

【吉岡委員】
 春が近くなると道路はザクザクになりますし、基準である20センチというのは、残すのは大変な状況にもなると思います。そうすると道路の脇に雪を置いていくことになり、道路は狭くなります。また、凍れている時期に排雪したところは気温が緩むと後からザクザク道で、車も高齢者も大変だといった状況になってしまいます。パートナーシップ排雪制度の費用負担が大変だから安くしてほしいと要望が出されたからといって、財政が困難な町内会の分は、3割の負担費用を軽減するために、雪をその分残すというやり方は、住民にも除雪業者にも負担を押し付けることになります。町内会の悲鳴にこたえるべき道は、排雪の雪を残すことではありません。9億円の予算を増額して、パートナーシップ制度の町内会の負担分をやめるべきと申し上げます。

次の質問に移りたいと思います。
次に生活道路の除雪方法変更に向けた検討について質問します。2021年度まで施行実施、2021年度から2023年度まで実証実験をする計画となっております。
「大雪時の応急対応」の、検討案では「原則一晩で除雪を実施し、最低限通行が可能な道路を確保する」とありますが、ここでいう「大雪」とはどの程度の降雪か、あわせて「最低限」とはどの程度か伺います。

【土井 雪対策室長】 
 まず応急対応の実施を想定している降雪状況についてでありますが、短時間に20センチから30センチ以上の雪が降るような状況を想定しております。
次に今回施行する生活道路の除雪方法は月に2回程度の除雪を標準作業としておりますが、大雪時のような場合には応急対応として、車と歩行者が通行できる最低限の道幅を確保できるよう、原則一晩で可能な除雪を実施したいと考えております。また、応急対応後には数日かけて圧雪路面を削る除雪作業を実施することで道路環境を確保するように考えております。

【吉岡委員】
出動判断では、これまで10センチ以上雪が降った場合出動していたというものを、月に2回程度、数日かけて作業するなど、お考えだということです。雪の降り方によって、柔軟な対応が本当に求められると思いますが、いかがか伺います。

【土井 雪対策室長】
実行プログラムに記載した施工内容というのは、標準的な
雪の降り方を想定しておりまして、著しく路面状況が悪化するような場合などには、臨機な対応を行い道路環境を確保してまいりたいというふうに考えております。例えば、応急対応を行わないような降雪であっても、数日間連続して雪が降って、著しい交通障害が発生した場合や、地吹雪などによる吹き溜まりが発生した場合には柔軟な対応が必要というふうに考えております。

【吉岡委員】
2023年まで実証実験をするとのことですから、住民と除雪従事者の声をしっかり受け止めて、冬みちの安全安心の確保を最優先する事を求めたいと思います。

冬みちプラン5年間の計画の中で、除雪に関わる人を何人増やすのか、具体的な目標が示されておりませんが、なぜ数値目標が示されていないのか、目標を持つべきだと思いますが、いかがか伺います。

【土井 雪道対策室長】 
 人材確保の数値目標についてかと思いますが、お答えいたします。今回策定します実行プログラムについては、除雪従事者の不足や高齢化などといった課題に対応していくため、昨年策定した「札幌市冬のみちづくりプラン2018」の実行性を確保することを目的としております。本プログラムでは、様々な取り組みについて数値目標を示しているところでありますが、企業の担い手不足に対しましては、人材確保につながる支援策や、効率化省力化を実現する取り組みなど、様々な施策を複合的に展開していくことを考えておりますため、単純に従事者を数値目標に示すことができないものと考えております。以上です。

【吉岡委員】
様々な方法でというお話でした。
グレーダーを操作する除雪オペレーターは10年で高齢化などもあって2割減るといわれております。一人乗りのグレーダーが増えるので少なくてもまかなえる、そういう状況もあるとのことですけれども、今日の質疑の中でも改めて、やっぱり人増やすというのが、冬道の安全安心を考えると必要なことだと思います。目標を持たないと、どう増やすか具体的にならず、10年がたってしまうのではないかと思います。

 「除雪作業に参画する企業の人材確保への支援策」として、「除排雪作業の意義や建設業の魅力など、札幌市の除雪事業に参画する企業のイメージアップにつながる情報を札幌市のホームページで発信することや、高校や大学へのPR」などが示されておりますけれど、あれこれのイメージアップをはかるということだけではなく、住民のために誇りをもって仕事をしている除排雪で働く人達が、安心して生活ができる賃金保証や対策こそが、除雪で働く人を増やすことになり、将来の除雪事業を維持するために必要ではないかと考えます。
世界でも稀と言われる、一冬の降雪量が5メートル、6メートルもある、この190万都市札幌が、本来するべき道路の維持管理を責任をもってすすめるために、除雪予算をしっかりと増やし、増やすこと(こそ)を必要だと申し上げて私の質問を終わります。




2019年11月14日木曜日

第3回定例会 10月23日第2部決算特別委員会 札幌水道ビジョン(配水管の耐震化)について

2019年10月23日(水)第3回定例会 第2部決算特別委員会  
札幌水道ビジョン(配水管の耐震化)


【吉岡委員】

 私は水道ビジョン見直しについて質問をいたします。このたびの台風19号では、被害を受けた14の都府県で浄水場が水没するなどのところもあり、長期で、また広域にわたって断水の被害が広がっております。本日午前8時現在で、福島県いわき市の35900戸をはじめ8都府県42340戸がいまだに断水をしております。想定を超える地震や台風が次々と列島を襲っています。全国で起きている災害から、どう教訓を引き出すか、それが私たちに問われています。
 
 札幌市水道ビジョンの見直しは、札幌市の水道事業にかかる中長期計画である水道ビジョン後半期に向けて見直しを行うものです。水道事業が果たしている役割や意義について、今年の第一回定例議会で、日本共産党の村上議員が質問したところ、吉岡副市長は、「水道事業の役割は市民の健康を保持増進すること。市民の生活や都市の経済活動を支えること。また、消防用水として市民の生命財産を守ること等であると認識しており、札幌市におきましても昭和12年の水道創設以来、時代の要請に応えながら安全で良質な水道水を安定的に供給し、住民福祉の向上や、都市の発展に寄与してきたものと考えている」と回答しました。このことは極めて重要な考え方で、継続していくべきだと思います。

 それでは質問に移りますが、札幌水道ビジョン後半期の見直しについてですが、どのような改定を行うのか、その考え方を伺います。

【水道局 小笠原 総務部長】
 札幌水道ビジョンの見直しの考え方についてでありますが、札幌水道ビジョンは今年度で計画の折り返し地点を迎えており、現在、前半5年間の検証を行うとともに、後半期の事業計画を作成している段階であります。
水道ビジョンでは事業面の根幹であり、水道事業の基本理念や取り組み姿勢などを掲げておりますが、それらは計画の後半期においても変えることなく引き続き維持していくこととしております。今回の改定では、昨年の北海道胆振東部地震の経験を踏まえた災害対策の強化や、利用者サービスのさらなる向上をはかるための取り組みを計画に盛り込んでいくこととしております。また、改定後のビジョンでは、計画の後半期のスタートとなる2020年度以降の財政収支の見通しを示すことにしております。以上でございます。

【吉岡委員】
 今回の見直しでは、胆振東部地震による被害をふまえて、配水管の枝線について、里塚や液状化の可能性のある地域など、緊急性の高い地域を優先して更新をすると聞いております。
100%の更新までに80年かかるという当初の計画は、今はまだ変更はありません。本市の配水管の長さは6027キロメートルで、そのうち各家庭につながっている配管枝線は4808キロメートルと全体の8割を占めますが、その耐震化率はわずか28.0%です。
 
 そこで質問です。昨年の胆振東部地震をふまえて更新時期を前倒しをし、耐震化を早めるべきだと考えますがいかがか伺います。

【住友 配水担当部長】

 配水枝線の更新に関します期間を繰り上げて早められないかとのご質問でした。配水管の更新や耐震化には、多くの事業費と長期間を要しますので、水道局では管路の優先度などを考慮しつつ、配水管の整備を計画的に進めております。口径75から350ミリメートルまでの配水枝線の耐震管といたしましては、災害時の救命活動の拠点となる医療機関などの重要施設に向かう配水ルートを優先し、既設管を地震の揺れによって、それまで以上に管路の接続部が抜け出しづらくなる、耐震化に布設替えする事業を進めております。また、管の腐食による漏水を未然に防止して、健全性を確保するため、平成25年度より配水管更新事業を進め、市内の延長約4800キロメートルの配水枝線を対象に耐水管を用いた布設替えを進めております。
この配水管更新事業ですが、このなかでは限られた事業費の活用のため、管の法定耐用年数が40年であることをふまえ、可能な延命化をはかることとし、また、年度ごとの事業量の偏りが大きくならないように、事業量の平準化をして計画的に進めております。水道局では現在のペースを基本として配水管更新事業を続け、耐震化率の向上をはかりながら、将来に向けた管路整備についても継続的に検討していきたいと考えております。以上です。

【吉岡委員】

 現在のペースで進められていくとのお答えでした。
胆振東部地震ではブラックアウトと共に数日間断水したことが、市民生活に重大な影響を与えました。ライフラインの中でも水は申すまでもなく、私たちの生活になにより欠かすことのできないものです。昨年の胆振東部地震をふまえ安全で良質な水をいつまでも安定して供給するという本市水道事業の使命を果たすためには、すべての配管の耐震化の更新に80年もかけるのではなく、前倒しすべきです。
改定水道法が10月1日から施行され、民営化が可能になりました。世界では民営化によって、料金の大幅値上げや、安全性が損なわれるなど、市民の大きな反対が起こり、再公営化の動きが加速し、2000年から15年間で再公営化した水道事業は37か国235事業にも上ります。

 本市のこのたびの水道ビジョン改定においては、民営化の方向性は示されておりません。国は民営化を進めようとしていますが、安全で良質な水道水を安定供給するうえでも、本市水道事業においては、公営を当然堅持すべきと申し上げて、私の質問を終わります。


 


※10月23日(水)第2部決算特別委員会の音声はこちらからお聞きになれます。

第3回定例会 10月18日第1部決算特別委員会 ヘイトスピーチを許さない取り組み・清田区マップ

2019年10月18日 第3回定例会 第1部決算特別委員会
ヘイトスピーチを許さない取組み(LGBT、アイヌDV、人権課創設)
清田区マップ(北海道朝鮮初中高級学校が地図に載っていない)


【吉岡委員】
質問の前に、ひと言申し上げます。台風19号で記録的な大雨によって亡くなられた方々に心からおくやみを申し上げます。また、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。この度の台風では、東京都台東区の避難所で、北海道出身、60代のホームレス男性が大雨の中、区の職員によって、避難所の入所を拒否されるという、人道上許されない問題が起きました。男性は一晩中傘を差して、風雨をしのいだといいます。弱者に対する排除と差別問題で、住民の福祉の増進を旨とする地方自治体としては、あってはならない重大な人権侵害です。

 それでは質問をさせていただきます。
私は市民局、市民生活部、男女共同参画推進費、人権啓発費に関連して、ヘイトスピーチ解消法の取り組みについて。もう一つは清田区マップについてお尋ねをいたします。
 
 ラグビーワールドカップの2試合が札幌市で開かれ、大いに盛り上がりました。試合会場は2人に1人が外国の方々で、文字通りスポーツに国境はないといった様相でした。スポーツに限らず、企業や学校も、文化、芸術、音楽などの分野でも、多文化共生社会は今や国際的な流れとなっています。札幌市は国際観光都市として世界中からいろんな人たちが訪れます。世界中の国や地域の人たちと争うのではなく、仲良くなることが大事ですし、そうすることが安心して観光に来ることができる前提条件だと思いますし、しいては札幌市のイメージアップにもつながるのではないでしょうか。国と国との間には様々な問題があったとしても、地域では一人ひとりが交流をすすめるそのことが国と国との外交問題をも解決に導く大きな力となるのではないでしょうか。

 ヘイトスピーチ解消法が施行されてから6月3日で3年が経過しました。ヘイトスピーチ解消法第5条2項には「地方公共団体は本邦外出身者 不当な差別的言動に関する相談に適格に応ずるよう必要な体制を整備するよう務めるものとする。」とあります。
 
 そこで質問ですが、ヘイトスピーチなど、人権問題に関する相談にどのように対応をされているか伺います。また、独自の相談窓口を設置する必要があると考えますが、いかがか伺います。


【丹尾 男女共同参画室長】
 ヘイトスピーチに関する相談体制についてでございますけれども、いわゆるヘイトスピーチ解消法では、解消に向けまして、まず、一義的には国が主体となって行っていく責務があるものと定められていまして、法務省において、ヘイトスピーチを含む様々な人権問題についての相談窓口を設置しているところでございます。この法務省が設置する相談窓口、「みんなの人権110番」につきましては、これまでも様々な場面で市民に対して、周知を行ってきたところでございます。また、札幌市におきましても、「市民の声を聞く課」で人権擁護委員の協力を得て、週一回、人権相談の窓口を設置しているところでございます。以上でございます。

【吉岡委員】
 確かに一階の「市民の声を聞く課」に行きますと、木曜日の午前が人権相談となっていますが、それがヘイトスピーチ解消法が求めている差別的言動などの相談に的確に応ずる体制ということなのでしょうか。「市民の声を聞く課」は総務部広報部ですが、ヘイトスピーチなど人権問題を担当しているのは男女共同参画課なのではないでしょうか。

「人権相談 札幌市」で検索しますと、本市のホームページが出てきます。そこには法務省や札幌弁護士会の相談しか紹介されていません。差別的言動などの相談に的確に応ずる体制と解消法に書かれておりますが、そのことを考えますと、本市の対応としては、きわめて不十分と考えます。
同法第7条第2項には、地方公共団体は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消について住民に周知し、その理解を深めることを目的とする方法、その他の啓発活動を実施するとともに、そのための必要な取り組みを行うよう求めるものとすると定められています。

 そこで質問ですが、どのような啓発活動と取り組みを行っているか伺います。

【丹尾 男女共同参画室長】 ヘイトスピーチを無くしていくには啓発により、市民理解を促進していくことが重要と考えております。これまでも公共施設等へ法務省から提供されたヘイトスピーチとは何かを解説した小冊子の配架、ポスターの掲示を行いますほか、法務省の相談窓口「みんなの人権110番」を周知するなど、札幌法務局と密接に連携しながら啓発活動を行っているところでございます。また平静30年度からは、これまで実施をしてきた プロスポーツチームと連携した啓発イベントにおきましても小冊子を配布したところでございます。

【吉岡委員】
 コンサドーレやレバンガの試合前などで啓発活動をする。これは本当にすばらしいことだと思いますが、196万人という札幌市の人口を考えると、あまりにも少ない状況だと考えます。
 私が住む清田区には、北海道朝鮮初中高級学校があります。初級部は日本の学校の小学校に当たりますが、課外授業に行った際、同校の生徒が他校の小学生から差別的言動を受けました。他方ではふつうに先生や児童の交流もあったわけですが、そのような差別的言動を受けた子どもたちは、大変心に傷を負いました。子どもが差別的言動をする背景には家族や社会の影響が大きく、保護者などが、差別的な言動をしないよう心がける必要があるのはいうまでもありませんし、当然教育現場でも差別や人権についての教育が求められます。
 そこで質問です。ヘイトスピーチの啓発ですが、ポスター掲示、小冊子の配布は、まだまだ不十分ではないでしょうか。もっと広げるべきと考えますが、いかがか伺います。

【丹尾 男女共同参画室長】
ヘイトスピーチに関するポスターや、小冊子の配布のさらなる拡大についてでございます。法務省が作成しておりますポスターや小冊子につきましては、これまでも公共施設等の掲示や配架、啓発イベントでの配布を行ってきたところでございます。ヘイトスピーチ解消に向けた取り組みに関しましては、今後もこれまでの取り組みを継続していくことはもちろんでございますが、様々な機会をとらえて工夫をしながら啓発を行うとともに、札幌法務局と連携して、より効果的な啓発につきましても検討してまいりたいと思います。以上でございます。
【吉岡委員】
 あのポスターの活用ですが、前もってお聞きしましたところ、区役所や区民センターに、この3年間で1度、1枚とお聞きしました。間違いでしたら後でご指摘いただければいいんですけれども、確か1枚と伺っておりますが、それだけしか配布していないとお聞きしました。これでは全く不十分だと思います。今の状況で区役所や区民センターでポスターが今もあるかどうかも、きっとわからないような状況ではないかと思います。また、冊子についても。
 ポスターについては、地下鉄ホームの電子公告などで、年中張り出すくらいのことをやってもいいのではないでしょうか。ずっと張り続けることで、ヘイトスピーチを受ける立場の人は安心できますし、ヘイトスピーチが許されないということが、市民の中に浸透するのではないでしょうか。
 
 解消法第6条2項には「本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取り組みを行うよう努めるものとする。」とあります。小中学校、大学などに、ポスターや小冊子を配るとか、より多くの市民の目や心に届く取り組みが必要だと考えます。
 広島県三原市は、人権推進課があり、人権推進係と男女共同参画係を置き、人権推進係は人権啓発、人権養護、平和行政の企画推進、人権相談事業、人権啓発広報活動などの取り組みを独自に進めています。

 2018年度、決算局別施策の概要36ページを見ますと、男女共同参画推進費の中に8つの事業があって、ヘイトスピーチの問題は、人権啓発費に入り、担当課でいうと男女共同参画課ですが、相談窓口や体制、啓発や企画など総合的に進めるためにも、ヘイトスピーチを含む部署、人権課などの部署が必要と考えます。
 
 そこで質問です。本市においてヘイトスピーチを含む人権問題全般を扱う部署を創設することを検討すべきと考えますが、いかがか伺います。 

【丹尾 男女共同参画室長】
 ヘイトスピーチを含む人権を全般的に扱う部署についてでございます。人権課題につきましては、国籍や性別、障がいの有無、あるいは性自認や性的指向など、様々な視点での対応が求められており、所管する各部局において取り組みを行っているところでございます。今後も関連する部局と連携をはかりながら、互いの個性や多様性を認め合い、お互いを尊重し合う街の実現を目指して取り組みを進めてまいりたい、このように考えております。以上でございます。
 

【吉岡委員】
 ヘイトスピーチ解消法施行前の2015年12月、共産党太田議員の代表質問に対して秋元市長は、「ヘイトスピーチのない社会を実現していくためには、人種や文化などの多様性を尊重し、共生できる機運を高めていくことが何より重要」と回答されました。市長の認識をしっかりふまえた対策を取るためにも、ヘイトスピーチを含む人権問題を総括的に扱う部署の創設を求めて 一つ目の質問を終わります。

 次に清田区マップについてお尋ねします。区役所窓口に置かれている清田区ガイドというものがあります。法律相談、交通事故相談など、区役所相談コーナーの案内や、公共施設など、主な施設、清田区の3つシンボルや清田区の見どころ24カ所などが書かれていて、裏面が清田区マップになっています。引っ越ししてきた方にとっては、初めて清田区に来て、マップを見て、 清田区にどんな施設があるか一目でわかります。住み続けている方にとってもとても好評です。
実はこの清田区マップに北海道朝鮮初中高級学校の名前が記載されておりませんが、来年のマップには記載されることになっていると伺いました。
朝鮮学校で開催されるアンニョンフェスタは、地域の方々にも好評で、今年9月には約2700人が参加し、地域のお祭として根付いています。本市の日朝議連は、超党派の議員によって、1977年発足と、長い歴史もあり、日朝議連メンバーもアンニョンフェスタには、10人ほどが参加し交流を温めています。
また、区役所ロビーにある大きな地図につきましては、区民からの要望ですぐに記載されておりますが、区役所2階の子育て支援コーナーの大きな地図には記載されておりません。
そこで質問です。清田区マップや区役所に掲示されている区内の地図に北海道朝鮮初中高級学校が記載されなかった経緯について伺います。また、未記載の子育て支援コーナーの地図への記載をすべきと考えますが、いかがか伺います。

【小角 清田区長】
ただいまのご質問にお答えいたします。まず清田区ガイドは、区内の地図や施設の情報を区民に提供して活用していただくほか、区の魅力をPRするとともに、区民の方たちに自分たちの住む街に関心を持ってもらうために作成をしているところでございます。
 そのような趣旨で作成しておりますので、ガイドにはできるだけ多くの施設を掲載することが望ましいと考えているところでございますが、このなかで掲載しております地図については条丁名、あるいはバス停の位置など、非常にたくさんの情報を盛り込んでいることから、地図の見やすさ、煩雑さを避けて見やすさにも十分配慮する必要があることから、
これまで学校施設については、学校教育法第1条に定めます小中学校、高等学校、大学、幼稚園などを掲載することとしてきたものでございます。
 しかしながら、今年3月、今年度に配布を行います清田区ガイドを作成した後に、区民の方から北海道朝鮮初中高級学校についてもガイドに載せてほしいと要望を受けたところから、過去におきます一条校以外の学校の掲載状況等をふまえて検討したところ、過去においては専門学校などの各種学校ついても掲載している事例もあるということをふまえまして、次年度、今年度末に印刷を予定しております、改訂版から一条校以外の学校についても記載をするというようなことで、判断したところでございます。
また、先ほどご指摘のありました、子育てインフォメーションに貼っております地図というのは、このガイドをそのまま広げて貼っているという状況なので、その対応状況については、同様な状況になっておりますけれども、その部分、もし、すでに区民の方がご相談していただいたのち、下にあります地図につきましては、シールで学校名をわかるように掲載したというような、暫定的な対応が既にできているようなところもございますので、その対応については、また持ち帰って検討させていだきたいと思います。

【吉岡委員】
豊平区や白石区では、非一条校についても記載されております。通っている学校が清田区マップに記載されていないのは悲しいことですし、「僕の学校どうしてないの」と聞かれて何と答えればいいでしょうか。
大人になって自分の子どもを連れて、子育てコーナーに行ったら、他の学校は書かれているのに、母校が書かれていなかったら、どんな気持ちになるでしょうか。緑豊かで自然とふれあいに満ちた、安らぎを感じる街、清田区。その良さが盛り込まれ、さらに区民みんなに愛される清田区ガイドや清田区マップとなることを要望いたしまして、私の質問を終わります。



※10月18日(金)第1部決算特別委員会の音声はこちらからお聞きになれます。 

 

第3回定例会 第2部決算特別委員会 国保一部負担減免制度について

2019年10月9日 第3回定例会第2部決算特別委員会
国保料一部減免について

第二部決算特別委員会で質問する吉岡市議


【吉岡委員】 

 私は国民健康保険における一部負担金減免制度について質問をさせていただきます。国保の一部負担金減免制度は、災害や失業などで、医療費の支払いが困難になった方が利用できる制度ですが、利用者は本市では、2016年度は3人、2017年度は2人、2018年度の分は胆振東部地震の被災者分を除いてですが、4人という目を疑うような少なさです。2017年4月から12月まで、窓口での相談件数は11件ありますが、利用は2件にとどまっています。本市の市民所得は20政令市中、最下位。国保加入30万世帯のうち2件とか3件の利用が実態です。制度がありながらその役割を果たせないでいるというのが実態です。

 そこで質問です。利用者が少ない要因についての認識について伺います。あわせて制度の周知についてどのようにしているかお尋ねします。

【西村 保険医療部長】 

 利用者数についての認識と、周知方法についてお答えをいたします。
一部負担金の減免は、災害や失業などの特別の理由に該当する場合に行う一時的、臨時的な措置でありますことから、減免の適用に当たっては、明確な基準のもと、厳格に実施されなければならないものと考えております。政令市の平成30年度の実績を見ますと、認定件数0件の市が8市、認定件数が1けた台の市が5市となっておりまして、札幌市が突出して利用者が少ないとは認識してございません。周知方法につきましては、国保のしおり、国保加入者の手引きなどの冊子類やホームページへの掲載により、PRに努めてきたところでございます。また、高額療養費制度と共に、この制度を説明したリーフレットも作成し、PRしているところでございます。以上でございます。

【吉岡委員】

一時的ということで厳格に扱っているというお話でしたけれども、札幌市の市民の、この貧困といいますか、生活の厳しい実態を考えたら、2人、3人というのは、制度がしづらい、そしてまた周知が十分にされていないのが原因ではないかと思われます。政令市、0の市もあるとおっしゃいましたけれど、その一方で広島市など数百件。また、大阪市など30数件という政令市もあるわけですから、少ない方に比較をしないで、市民のために頑張っている、そういう市に対して目を向けることが、私は必要ではないかと思います。

 周知についてはホームページ、そして国保加入者の手引きや国保のしおりに掲載していると思います。たしかに加入者の手引きは5万8千部印刷して区役所などに置かれております。小さいスペースながらも、見出しはあって、ありますけれども、国保加入者全員にお配りされている、28万5千部印刷しています「国保のしおり」には、24ページに書いておりますけれども、見出しがまったくありません。私は今朝の新聞日刊紙、朝刊見ましたけれども、見出しの無い記事などほとんど見当たりませんでした。この国保のしおりの23ページ、24ページと見開きで見ると、まるで上の方に書いている高額医療費についての続きのような書き方となっております。私は周知するためのしおりとしては全くもって分かりにくい書き方だと思います。 

 そこで質問です。しおりや手引きを見ても誰が見ても一目でわかるものにすることと合わせて、ポスターを病院の待合室や地下鉄のホームや中づりなどに貼るなど、制度の周知徹底をはかるべきだと思いますが、いかがか伺います。

【西村 保険医療部長】
 制度の周知徹底についてのご質問でございます。周知につきましては、先ほど申し上げたとおり、冊子類やホームページなどで、周知を行っておりまして、そういった一般的なPRもありますが、その他にも、窓口での相談というものも重要であると考えております。加入者から生活が困窮し、一部負担金の支払いが困難と相談があった場合には、相談者の話をよく聞きながら対応をしておりますけれども、個々の事情に応じ、一部負担金の減免に限らず、他の福祉制度も案内するなどの対応を行っているところであります。なお既存の冊子類、あるいはホームぺージなどにつきましては、より分かりやすくなるよう検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

【吉岡委員】 

 既存のしおりなどにつきましては、改善するというお答えでしたので、ぜひ早急にお願いしたいと思います。
 10月7日の委員会で私が質問いたしました、無料低額診療制度の利用者は、延べ人数で年間1万人を超えております。周知が十分であれば、一部負担金減免制度の利用者はもっと増えるはずです。不十分だからこそ、利用者がこんなに少ないのではないでしょうか。また、周知と共に、この制度そのものの利用のしづらさにもあると考えます。

 2010年9月13日付の、厚生労働省保健局長の都道府県知事あて通知では、Q&Aが示されております。保険料を滞納している世帯に属する被保険者について、一部負担金減免を行うことは適当でないと考えるがどうかという設問があります。それに対しての国の答えは、今回示した基準に該当する被保険者については、保険料の滞納の有無にかかわらず一部負担金減免を行っていただきたいと考えていると書かれています。ところが、本市の要綱第3条には、世帯主に賦課された国民健康保険料のうち、納期が到来しているものについて完納していること。つまり保険料の滞納をしていると制度を使えないとなっています。

 そこで質問です。本市の要綱が国の指導に沿っていないと思いますが、いかがか伺います。

【西村 保険医療部長】
 保険料の完納を対象要件としていることについてのご質問でございます。保険給付は保険料を納めることが前提ではありますが、滞納されている方の中にはやむをえない事情のある方も多くいることは承知をしております。そのため窓口で生活状況などを把握した結果、区長が特に認めるときは、滞納があっても減免を行う場合もありまして、柔軟に対応しているところでございます。以上でございます。

【吉岡委員】
 滞納があっても窓口で個別に対応されているということでした。要綱に明記しないと、そういう対応があったとしても結局対応がそれぞればらばらになってしまうという状況があると思います。その場合によっては 行政区によって、ある人は減免できて、ある人は減免できなかった。そういうことも起きるのではないでしょうか。国の通知は国保行政としてこうあるべきとして示しているわけですから、ぜひ実施するべきと考えます。政令市比較で見ますと、20政令市のうち12の政令市では、滞納条件には記載なしとなっています。

 そこで質問ですが、国の通知に沿った要綱に改めるべきと思いますが、いかがか伺います。

【西村 保険医療部長】
 要綱の見直しについてのご質問でございます。
平成30年度からの国保都道府県化にともないまして、北海道では
市町村の事務の標準化を進めております。この一部負担金の減免につきましても、統一基準の策定に向けて昨年度から検討を続けてきておりますが、統一基準は年内をめどに示される予定となっております。そのため、札幌市の要綱改正につきましては、北海道から示される統一基準をふまえ検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

【吉岡委員】
 道との協議を進めているということでした。
本市が今見なければならないのは、道との協議ではなく、市民の実態こそ今見ることが必要ではないかと思います。
昨年の、一部負担金減免について争われた札幌高裁判決では、国民健康保険法44条1項は制度の趣旨を社会保障の観点から、経済的に困窮する被保険者も、国保制度の枠内で療養の給付を受けることができるようにする点にあると解されると指摘しています。つまり、保険料を滞納していても、安心して受診して下さいというのが、法の趣旨であることから、本市の要綱を早急に改めるべきと申し上げて質問を終わります。


 ※10月9日(水)第2部決算特別委員会(保健福祉局)の音声はこちらからお聞きになれます。 

 

第3回定例会 10月11日第2部決算特別委員会 札幌の農業と食農教育について

2019年10月11日 第3回定例会 第2部決算特別委員会
(札幌の農業と食農教育)


【吉岡委員】

 私は札幌の食農教育についてお尋ねをいたします。
 札幌市の総農家は2015年で807戸。2005年と比べますと3割減となっております。総農家のうち販売農家は461戸、10年間で4割減少しています。65歳以上の高齢者が占める割合は58.4%と、北海道の36%と比べると高齢化が進んでいます。耕作放棄地は増え約500ヘクタールになっており、放棄地を利用している市民農園は24.5ヘクタールで、利用率はほぼ100%です。
市民農園の増設やマルシェなど生産者の顔が見える直売方式の取り組みが重要です。
自給率はわずか1%ですが、札幌市のような都市農業はいろいろな面で市民に寄与するところがあると思います。

 本市が第2次都市農業ビジョンをつくるにあたって取り組んだ、札幌市全域の18歳以上の男女5000人を対象としたアンケートを見てみますと、18歳から19歳の10代の若者の認識は市内に農地があることを知っている10代若者は約5割、つまり半分の人たちは市内に農地があることを知りません。
販売されているのは6割が知らない。その一方で札幌農産物に期待するのは安全安心が8割とすべての世代で最も高く、札幌の農業農地に期待する機能役割の項では、良好な景観の形成33.3%、環境生態系の保全 48.7%といずれもすべての年代で最も高い比率となっています。10代の若者は札幌の農業に期待しているにもかかわらず、札幌の農業が理解されていない状況にあり、とても残念です。
札幌の農業を理解するうえで必要なことは、子ども時代から身近な農業にふれ、そして実際に食べて、農業の豊かさをどれだけ体験できるかにあるのではないでしょうか。
 
 そこで質問です。子どもたちを対象に、どのような食農教育に取り組んでいるか伺います。
 

【中田 農政部長】
どのような食農教育の推進に取り組んでいるかについてのご質問です。東区の丘珠にあります、「サッポロさとらんど」。そちらのほうでは市民が農業とふれ親しむことを目的として、水田あるいは子ども学習農園を整備しているところでございます。水田では田植えや稲刈り、子ども学習農園ではですね、じゃやがいもやたまねぎ、とうもろこしといったような野菜の植え付けから収穫・調理までを体験することができます。利用状況ですけども小中学校や幼稚園、保育園を中心に幅広い利用が行われており、毎年ほぼ65施設4500人程度が利用しているところでございます。このほか市民農業講座、札幌農学校の修了生など、一定の農業技術や知識を習得した市民を農体験リーダーということで認定しておりまして、この方々に小中学校に出向いていただいて、教材としての野菜栽培の指導などを行っていただいております。昨年は市内37校、46人の農業体験リーダーを派遣しておりまして約7300人の小中学生が農作業の指導を受けたところでございます。中でも東区はたまねぎ「札幌黄」の苗を歴史のある伝統野菜ということで、東区を中心とした小学校30校に配布いたしまして、札幌の農業の歴史を学ぶ教材にしていただいているところでございます。 

【吉岡委員】 

 「サッポロさとらんど」を中心にした取り組みをされているというお話でした。
 
 1960年代後半、政府の減反政策や宅地化で休耕田が増えて農業経営が厳しくなって、農家の方が不安や苦境の中で模索した末に選ばれたのがほうれん草でした。
 
 先ほど竹内議員のお話にもありました。「ポーラスター」という名前のほうれん草ですが、その名前には季節や時間に左右されず、位置を変えずにいつも輝いている北極星に農家の方々の農業への思いを重ねたのだと思います。

 私の住む清田区では、たとえばこのような状況がありますが、農業体験に際して農業指導に加えて、そういう背景や栽培の歴史などを子どもたちに伝えることができれば、地域の農業を、より身近に感じることができるのではないでしょうか。


 ここで質問です。2016年度から2025年度までの第2次札幌都市農業ビジョンは来年で折り返しです。今後、食農教育の取り組みと課題について伺います。 

【中田 農政部長】

 食農教育における課題と今後の展開でございます。委員のお話の通り、地域の農業を子どもたちに伝えていくのが重要であると認識しています。
 
 そのためには地域の農業を良く知る、農業者に指導者として学校へ出向いていただくのが効果的ではないかと考えているところでございますけれど、農業体験の時期と農繁期と重なってしまうため、現役農業者が関わるということは非常に難しゅうございます。
 
 そこで今後は、例えば、古くから農業に携わってきた、第一線を退いた高齢の農業者の方に協力をあおいで子どもたちに地域の農業を伝承するといった役割を担っていただくようにはたらきかけて食農教育を推し進めて参りたいと考えています。

【吉岡委員】 

 ご苦労して食農教育を進められていることがわかりました。実際に食農教育すすめるためには農業者である指導者の問題もありますし、学校では先生たちも子どもたちも忙しすぎます。

 新潟市は米どころ新潟の農業を持続的発展させるためにあらたな取り組みとして食育農業体験を推進しました。
新潟市の前市長が、フランスでは教育ファームにより農業の関心が高まったことから、新潟市でも取り入れたいと拠点施設構想「アグリパーク」を立ち上げました。子どもたちが将来ふるさとをほこりに思えるような取り組みをしたい、子どもたちを地域で育てようと、官民挙げて協力体制がつくられました。8割の学校で農業体験を実施し、独自の農業体験学習プログラムを児童用、教師用をつくり、教師も研修しながら実践しています。市民が農産物について関心を高めて農家を応援する。そして農業が活性化される。このなかで将来農家になりたいと表明する児童や、15歳の若者が農業サポーター制度に申し込み、導入前後で農家の意識も大きく変わり相乗効果が生み出されています。
教育に農を取り入れたことで、ふるさとへのほこりや、人口減少やエネルギー問題など日本がかかえる課題に対して意識も変わり、先進的な方法で解決をはかろうと地域と学校が一体で取り組んでいます。新潟市の実践から学ぶ点は多々あるのではないでしょうか。

 本市が食農教育をさらに大きく展開するうえでは、札幌市が食農教育を本市全体としてその位置づけをし、本市挙げて考えるべきと申し上げ、私の質問を終わります。


 

※10月11日(金)第2部決算特別委員会の音声はこちらからお聞きになれます。

第3回定例会 10月7日第2部決算特別委員会 無料低額診療制度について

2019年10月7日 第3回定例会第2部決算特別委員会
無料低額診療制度について

第2部決算特別委員会で質問する吉岡市議

【吉岡委員】

 私は無料低額診療制度について質問します。
無料低額診療制度は、社会福祉法の規定に基づき、生活困窮者が経済的な理由で必要な医療を受ける機会を制限されることの無いよう、無料または低額な料金で診療を受けることができるための事業です。
同事業を行う医療機関で無料または低額な料金で診療を受け、処方箋の交付を受けても現在の制度では、調剤薬局は処方箋に基づいて無料か低額な料金での調剤を行うことができません。


無料低額診療制度による診療の効果を十分に発揮するためには、診療を受けた人が薬局において、無料か低額で薬を受け取れるようにする必要があります。
全国で無料低額診療事業は、2000年当時250か所ありましたが、2017年は687カ所に増えています。

 ある院外調剤薬局の報告ですが、無料低額医療の診療を終えた親子の患者さんが調剤薬局に行きました。院外調剤薬局では薬代がかかります。薬局は薬代500円を請求しました。しかし、お母さんは500円でも払えませんでした。親子2人で数キロ離れた自宅から公共交通を使わないで歩いて来たといいます。バス代もないから歩いてきていました。
500円のお金であっても、払うことができなかった。そのことをぜひ、想像してみてください。そういうお母さんの気持ちを、ぜひ、想像してみてください。だから院外薬局の場合では、診療だけで帰る患者さんもいるんです。病院に行きたいけれど、お金がなくて行かれない。早く治してはたらきたい。そう願う札幌市民が利用しているのが、無料低額診療制度です。

 無料低額診療事業を実施する病院に対しては、固定資産税や法人税等の優遇措置を行っていますが、ある医療機関では、無料低額診療事業にかかる費用は、約2億円。一方、免除される固定資産税等は、1億円ほどだといいます。そのような持ち出し分があるのに、事業を行う病院は増え、医療の平等のために努力をしているのです。

 昨年、我が党の質問の中で、本市での無料低額診療を受診している人数、のべで1万人を超えてますが、その数は把握しているが実態は把握していないと答弁されています。  

 そこで質問です。本市は無料低額診療制度の利用者の状況を直接調査し、薬代を補助する事業の実施について検討をすべきだと思いますが、いかかが伺います。

【富樫 総務部長】
 無料低額診療の利用者に関わる調査の実施について、というご質問かと思いますが、無料低額診療事業というものは、事業を実施する医療機関において、医療ソーシャルワーカーなどが、患者さんからの申し出を受けて、事業の実施の可否、減免額、減免方法などを決定する仕組みとなっております。札幌市が対象者の状況を把握する仕組みというものになっているわけではございません。また、医療情報等をはじめとした個人情報につきましては、慎重に取り扱うべき情報でございます。札幌市が個々の利用者の情報を収集することは難しい。このように考えているところでございます。以上でございます。
 

【吉岡委員】
 調査もしない。国に求めるだけ。今までもそうでしたけれども、それではあまりにも冷たいのではないでしょうか。

 2016年度からは、無料低額診療制度により、受診された方の保険調剤薬局での自己負担について、政令指定都市の大都市民生主幹局長会議を通じて国に要望をしていると答えておりましたが、本市はこの間、今の答弁と全く同じように、国には求めますけれども、独自でやる姿勢はありません。たしかに国の制度であり、実施しているのは、今おっしゃられたとおり、民間の医療機関です。しかし、利用しているのは生活に困窮している市民です。

 本市は、この制度を利用しても、薬をもらうことのできない市民がいることに、まっすぐ目を向けるべきではないでしょうか。
本市に今求めているのは、民間の病院に支援してほしいというものではなく、現行の制度を利用しても薬をもらうことができなくて困っている市民に支援して欲しいということです。

 就学援助で言いますとやはり国の制度ですが、対象費目については、各自治体が判断し、必要なら予算を組んで出しています。福祉用具は民間が売っていますが、必要な人が購入するときには本市が補助しています。

 地方公共団体は住民の福祉の増進をはかることを基本とするというのが自治体の役割です。であれば国の制度だから、民間だから手を出さないという姿勢ではなくて、無料低額診療制度を利用することで、生活を立て直すことができる、そういう市民を本市として支援すべきです。

 昨年の質問で、薬代の助成制度を実施している他市をモデルに試算したところ、本市で3か月を上限に実施した場合、年間で1500万円。ひと月の助成ですと年間で500万円程度という答弁でした。18年度の決算黒字で、この予算が組めないような市の財政ではありません。

 旭川市は2013年、一人の人が薬代の助成を受けるのは1か月までという制度でスタートいたしましたが、かかる費用以上の効果が見られたため、今年からは1年間までの助成に拡大しています。

 政令市が国に対して求めている社会福祉関係予算に関する提案、政令市で求めていますから札幌市も求めておりますが、ここに書かれているのは調剤を受けられず治療を中断される方がいるため、制度の趣旨にのっとっているとは言い難い状況ですとおっしゃっております。
本市が先導して取り組むことが、国の制度改善につながるのですから、札幌市で先行して行うべきだと申し上げて、質問を終わります。


 


※10月7日(月)第2部決算特別委員会の音声はこちらからお聞きになれます。

第3回定例会 10月3日第2部決算特別委員会 震災後の復旧(里塚霊園隣接地)について

2019年第3回定例会10月3日(木)第2部決算特別委員会(建設局)

【吉岡委員】  
 私からも里塚霊園の隣接地域における復旧工事について3点お尋ねしたいと思います。1点目につきましては住民のみなさんの不安に対しての市の対応。そして2点、3点目につきましては8月の住民説明会で出されました住民の方々からの要望についてであります。

第2部決算特別委員会で質問する吉岡市議


 里塚霊園隣接地域は2003年の十勝沖地震でも被害を受け、数百万かけて地盤改良をしたお宅もありました。昨年の胆振東部地震では26世帯が傾きや沈下等の大きな被害を受けました。そのうち7世帯が北広島市などに現在も避難をされております。
 
 昨年10月に初めての住民説明会が開かれ、ボーリング調査がその後行われました。5月には「里塚霊園緑地液状化被害か」とマスコミ報道がされましたけれども、その間一度も説明会はなく、被災した住民のみなさんは不安な思いで暮らしてきています。

 ようやく開かれた8月28日の住民説明会は、30℃を超す蒸し暑さの中、約3時間。うっせきした住民のみなさんの不安と、そして怒りが噴出いたしました。
 
 本市は報告の中で液状化は起きたかどうかわからない。里塚霊園緑地被害の主たる要因は液状化ではなく、宅地と霊園の高低差による地すべりだと強調し、とにかく里塚霊園緑地の盛り土工事をすることをここで決定してほしいと何度も盛り土工事の決定を促しました。

 10か月待たされたあげくの住民説明会で、被災者のみなさんの疑問や疑念もぬぐえない状況で、工事することを決定してくれというのは、あまりにも強引でないでしょうか。
 
 説明会での被災者のみなさんの訴えは地震発生とともに避難所に行き、閉鎖と共に転々と避難所を変え、今も仮の住まいに住んで、この先の見通しももてない辛さや不安、そういった気持ちが踏みにじられたことに対する怒りではないかと思います。
 
 そこで1点目の質問です。本市は盛り土が最良の対策といい、住民の皆さんは霊園は液状化していたのではないか、これからもまた地震が起きたら同じような被害が出るのではないか、盛り土だけで大丈夫なのかと深い疑問を持っており、対策の考え方について合意がされておりません。住民の皆さんの不安や疑問を受け止め、住民のみなさんの不安にどう対応するお考えかを伺います。

【櫻井 市街地復旧推進室長】

住民のご不安ですとかご疑問への対応についてお答えいたします。
8月28日の地元説明会におきまして年内に再度説明会を行う旨申し上げたところでございます。
次回の説明会ではあらためて被災の主たる原因が液状化ではないこと、 宅地と霊園との高低差に起因する地すべり対策として、霊園敷地内に抑え盛り土をすることが有効であることについて、今後も地域の皆様にご理解いただけるよう丁寧に説明してまいりたいと考えております。以上です。

【吉岡委員】

 9月25日の我が会派の代表質問に対して、副市長は「住宅再建を進められている方や仮住まいでいらっしゃる方など、被災者にそれぞれに寄り添った対応を行ってまいる」と答えました。
被災者の不安にしっかりと寄り添った対応をくれぐれも求めるものです。

次に説明会で出された要望についてです。
要望の2点目は2年前に舗装されたばかりの市道についてです。住民説明会で市道10号の地盤が地震の影響で今も動いていないか、止まっているかの調査をしてほしいと要望が出されました。進捗状況を伺います。
あわせて2年前の舗装工事の際に行った数値と比較して、沈下や横ずれがどうなっているかも調査する必要があると思いますがいかがか、加えて地盤の状況からすれば一定期間見ることが必要で、来年春にも調査すべきと思いますが、いかがか伺います。

【櫻井室長】

 市が行うとしました調査の進捗状況についてでございます。地元説明会の中で 一部の住民の方から現在も宅地の前の道路が動いているとのご意見を受けまして、現地調査を実施する旨回答させていただきました。
この調査につきましては9月21日より現地において測量による観測を始めておりまして、2週間に一度のペースで道路の変位について経過観察し、次の地元説明会で結果をお示しする予定でございます。従いまして沈下ですとか横滑りについては ご説明させていただきます。
以上でございます。

【吉岡委員】

 2年前の舗装工事の際の数値と比較し、沈下や横ずれも含めてぜひ調査され、その結果をお示しいただきたいと思います。

そこで次の質問です。もうひとつ要望が出されておりました、里塚霊園の対策として盛り土以外の工法もいくつか示してほしいというものがございましたが、そのことについていかがでしょうかお示し下さい。

【櫻井室長】
 先の説明会のなかで地元の方々から盛り土の他の対策についてということで提案をいただいたところでございますので、次回の説明会のなかでしっかりと説明していきたいというふうに考えております。
 

【吉岡委員】
 住民の皆さんの一つ一つの要望に応えていくということが今本当に大切なことなのだと思います。
住宅再建には宅地の復旧だけで数百万円から1000万円かかります。
新築や改築をするのにはさらに費用がかかります。
本市の宅地復旧支援事業は200万円までですから、被災者再建支援金や義援金を受けたとしても莫大な負担が必要となります。
そこに地盤に対する不安が被災者をさらに苦しめております。
被災者支援に当たっては、その思いにしっかりと寄り添い被災者のみなさんが再建の見通しがもてるような復旧工事をすることを求めまして私の質問を終わります。 


 

※10月3日(木)第2部決算特別委員会(建設局)の音声はこちらからお聞きになれます。
 

2019年11月7日木曜日

清田でつどい

 先日清田地域で「つどい」が開かれました。

 鋭い舌鋒で安倍政権を切る浜矩子さんがゲストの回の日本共産党のネット番組「とことん共産党」を観ました。浜さんのお話にうなずいたり笑ったりしながら楽しく視聴したあと、みんなでワイワイと話をしました。


 戦中を知るKさんは、苦労の連続だった戦時下の実体験を力を込めて話します。「だから戦争は絶対にダメなんだ!」と浜さんをしのぐ迫力です。

 私が市議会の報告をすると除雪の話になりました。

 札幌市の排雪は一定の費用を地域(町内会)が負担する「パートナーシップ制度」で行われていますが、地域負担はもう限界。札幌市は地域負担を少なくする代わりに排雪時の残雪厚を10センチメートルから20センチメートルにする実証実験をしています。

 そんな話をするとWさんが「うちの町内会は実証実験をしてみたが、道路がザクザクになり今冬はやめることになった。町内会にお金がないので、会員から除雪費をもっと集めればという人もいるが、私は反対だ」と話します。

 きょうの市議会建設委員会で「札幌市冬のみちづくりプラン2018実行プログラムについて質問しましたが、地域の実態として、そのことを話させていただきました。
楽しく実りいっぱいの「つどい」でした。

(11月5日 記) 

2019年11月1日金曜日

定例議会が閉会

 9月17日からの札幌市議会第3回定例会が10月28日に閉会しました。今回は新幹線残土問題、藻岩山ロープウェー事故、児童虐待によって2歳の女児が亡くなった問題等を受けての定例会となりました。

 決算特別委員会での共産党としての質問は一部二部合わせて44本で、私は6回質問に立ちました。
第2部決算特別委員会で質問する吉岡市議


 扱ったテーマは、胆振東部地震からの里塚地域復旧工事、無料低額診療制度、国保の一部負担金制度、ヘイトスピーチ、食農教育、水道ビジョン、朝鮮学校が清田区マップに載っていない問題です。

 こちらが望むような回答は少ないのですが、建設委員会の質問で「里塚霊園隣接地の胆振東部地震からの復旧工事」については、特に残念な回答でした。

 わずか数分の質問でも膨大な時間をかけて準備しますが、質問をすることで札幌市の考え方や取り組み、現状がよくわかり、とても勉強になりました。

 28日、本会議が終わって共産党の控室に戻ると北区選出の長屋いずみさんのりんごケーキの差し入れがありました。

 ホッと一息するのもつかの間。「ゆきみちプラン」や「第4次みどりの基本計画」の審議のため、11月5日には建設委員会が開かれます。

 今夜は雨の音を聴きながら「お元気ですか」の原稿づくり。

 一雨ごとに冬は駆け足でやってきます。

(10月29日 記)

2019年10月24日木曜日

スポーツフェスタin白旗山

 14日・体育の日は、清田区の3つのシンボルの一つ、「白旗山」の競技場で開催の「第10回スポーツフェスタin白旗山」に参加しました。

 開会式に先立ち、知的障がいを持った人たちの「2020年第7回スペシャルオリンピックス」のアピールイベントがありました。

 広い競技場のトラックをトーチラン(聖火を掲げた集団走)し、参加者の温かい拍手に包まれたランナーの若者たちはとても嬉しそうでした。

 野球少年やサッカー少年が、緑の芝生を軽やかに駆け回っています。

 開会式では参加者全員でラジオ体操。ラジオ体操を真面目にやったのは久しぶり。

 ウォーキングのグループ「清田Hi遊会」の人たちはリュックを背負い山歩きに出発し、「障害福祉ネットワーク」の方々が、のぼり旗を持って会場を歩いています。

 「きのこの会」の皆さんによるきのこの展示は、美しいきのこやダイナミックなきのこなど、個性が輝いていてずっと見ていて飽きません。



 胸の奥いっぱいに吸い込んだ山の空気が秋を満喫させてくれました。

 運動はしなかったけれど、会場のあちこちで、町内会や老人クラブ、元新婦人会員や赤旗読者、後援会員の方たちの笑顔に会えて、里山での楽しい体育の日でした。

 (10月22日 記)

無料低額診療 —薬代助成、札幌市が先行実施を

 日本共産党の吉岡ひろ子議員は10月7日、決算特別委員会で無料低額診療について質問しました。


 吉岡議員は「無料低額診療制度は、社会福祉法の規定に基づき、生活困窮者が必要な医療を無料か低額な料金で受けることができる事業」ですが「国の医療分業によって薬代が適用からはずれたため薬代が払えずに帰宅する患者さんが多くいるのです」とのべました。

 私がうかがった事例では「無料低額診療で診療を終えた親子の患者さんが院外の調剤薬局に向かいました。院外薬局では薬代がかかり500円の請求がありました。
 しかしお母さんは支払えないのです。数キロ離れた自宅から親子二人でバスを利用せずに歩いてきたといいます。500円のお金であっても払うことができなかったのです…想像してみてください」とのべ「これが現実なのです、無料低額診療を利用される方の状況を把握するためにも本市が直接調査をすべき」とただしました。

 富樫総務部長は「医療機関の医療ソーシャルワーカーなどが把握している。対象者の状況を把握する仕組みとなっていなく、個々の利用者の情報を収集することは難しいと考えている」とのべました。

 吉岡議員は「3か月を上限に年間1500万円で薬代助成ができることが明らかになりました、国に求める調査もしない、あまりにも冷たいのではないでしょうか」「札幌市に求めているのは、民間の病院に支援してほしいというのではなく、現行の制度を利用しても薬をもらう事ができなくて困っている市民に支援をすることなんです」と強く求めました。

(さっぽろ市議団ニュース№208より) 

 

質問の音声はこちらからお聞きになれます。

 

2019年10月18日金曜日

一歩でも半歩でも、一ミリでも

 開会中の市議会第3回定例会では、5回の質問に取り組んだうち、胆振東部地震関連では、「里塚中央」と「里塚霊園隣接住宅地」の2回の質問をしました。

 被災者である住民の皆さんの気持ちと願いを胸に質問に臨みました。

 先週は「無料低額診療制度」「国保一部負担金減免制度」「札幌の食農教育」を取り上げました。

 「国保一部負担金減免制度」は災害や失業などで、経済的に大変な時に利用できる制度ですが、札幌市で年間2件から4件しか利用していません。

 このことを質問すると「政令市では8市はゼロ件です」と、まだいい方だと言わんばかり。「国保のしおり」に制度を書いてあると言っても、見出しはなく、豆粒みたいに小さい文字で、目にとまらないような書き方。この事には「検討したい」と回答しました。

 また、国から「保険料の滞納の有無にかかわらず、一部負担金減免をおこなうべき」という通知が来ているにもかかわらず、札幌市は保険料の完納を条件にしています。

 市民の福祉を応援する市政に、一歩でも半歩でも、いえ一ミリでも前進するように心がけたいと思います。

 昨日は美しが丘市住の「つどい」、今日は白幡山で「スポーツフェスタ」。

 28日までの議会で、あと2回の質問です。

(10月13日 記)

被災者に寄り添い再建の見通しが持てる対策を―里塚霊園に隣接する宅地復旧(市議団ニュース№204より)

 日本共産党の吉岡ひろ子議員は103日、決算特別委員会で里塚霊園に隣接する住宅地の復旧について質問しました。 
 
 吉岡議員は、この住宅地は昨年の胆振東部地震で26世帯が傾きや沈下などの被害を受け、直後の10月に住民説明会が開かれたものの2回目の説明会は10カ月後の828日で、「住民の不安と怒りが噴出した」と指摘。
  
  市が「被害の主たる要因は液状化ではなく宅地と霊園の高低差による地滑り」であり、「盛土工事が有効」「今ここで決定してほしい」と何度も繰り返し決定を迫る強引なやり方に、「先の見通しも持てない辛さや不安な気持ちが踏みにじられたことへの怒りだった」と強調しました。 
 
 そのうえで「住民は霊園は液状化していたのではないか、また地震が起きたら同じような被害が出るのではないかと疑問を持っている。この疑問や不安にどうこたえるのか」「市道10号の地盤が今でも動いているのではないかと調査の要望が出されていたが進ちょく状況はどうか」とただしました。 
 
 桜井市街地復旧推進室長は、「次回の説明会で霊園敷地内の抑え盛土が有効であることを理解いただけるよう丁寧に説明したい」「道路が動いているという件については、測量により2週間1度の経過観察を行っている」とのべました。 
 また、住民からの「盛土以外の工法もいくつか示してほしい」という要望について、桜井室長は、「次回の説明会で説明していきたい」とのべました。 
 
 吉岡議員は、「住宅再建には宅地の復旧だけで数百万円から1000万円かかり、新築や改築にはさらに費用がかかる」「被災者の思いに寄り添い、再建の見通しが持てる対策にすべき求めました。
(さっぽろ市議団ニュース№204より)

2019年10月14日月曜日

国保の一部負担金減免―「要綱」改め市民に周知を

 日本共産党の吉岡ひろ子市議は10月9日(水)の決算特別委員会で「国民健康保険の一部負担金減免制度」について質問しました。

  吉岡議員は、「この制度は災害や失業などで医療費の支払いが困難になった方が利用できますが2016年度は3人、2017年度は2人、2018年度は4(胆振東部地震被災者除く)と目を疑うような少なさ」と指摘。
その要因をどう認識しているのか、制度の周知はどのようにしているのか」とただしました。

  西村保健医療部長は、「政令市のなかで認定数ゼロは8市など札幌市が突出して低いわけではない」「『国保のしおり』『国保加入者の手引き』などでPRに努めてきた」とのべました。 

 吉岡議員は、「利用が23人というのは制度が利用しづらく周知もされていないからではないか」「『国保のしおり』に書いてあるといっても見出しもなく、全くわかりにくい」「ポスターにして病院の待合室にはるなど一目でわかるよう周知すべき」とただすと、西村部長は「冊子類やホームページについてはよりわかりやすくなるよう検討したい」とのべました。
 
  吉岡議員は、厚労省保険局長の通知で、「保険料を滞納している世帯に属する被保険者について、一部負担金減免を行うことは適当ではないと考えるがどうか?」の設問に、「滞納の有無にかかわらず一部負担金減免を行っていただきたいと考えている」と回答していることを示し、「本市の要綱に滞納している使えないとあるが、国の指導にっていないのではないか」「要綱を改めるべき」とただしました。

  西村部長は、「生活状況などを把握し、区長が認める場合、滞納があっても減免する場合もある」「北海道が年内をめどに統一基準を示す予定でこれを踏まえて要綱改定を検討したい」とのべました。 

(さっぽろ市議団ニュース№206より)