2019年11月14日木曜日

札幌の農業と食農教育

2019年10月11日 第3回定例会 第2部決算特別委員会
(札幌の農業と食農教育)

【吉岡弘子】私は札幌の食農教育についてお尋ねをいたします。
 札幌市の総農家は2015年で807戸。2005年と比べますと3割減となっております。総農家のうち販売農家は461戸、10年間で4割減少しています。65歳以上の高齢者が占める割合は58.4%と、北海道の36%と比べると高齢化が進んでいます。耕作放棄地は増え約500ヘクタールになっており、放棄地を利用している市民農園は24.5ヘクタールで、利用率はほぼ100%です。
市民農園の増設やマルシェなど生産者の顔が見える直売方式の取り組みが重要です。
自給率はわずか1%ですが、札幌市のような都市農業はいろいろな面で
市民に寄与するところがあると思います。

 本市が第2次都市農業ビジョンをつくるにあたって取り組んだ、札幌市全域の18歳以上の男女5000人を対象としたアンケートを見てみますと、18歳から19歳の10代の若者の認識は市内に農地があることを知っている10代若者は約5割、つまり半分の人たちは市内に農地があることを知りません。
販売されているのは6割が知らない。その一方で札幌農産物に期待するのは安全安心が8割とすべての世代で最も高く、札幌の農業農地に期待する機能役割の項では、良好な景観の形成33.3%、環境生態系の保全 48.7%といずれもすべての年代で最も高い比率となっています。10代の若者は札幌の農業に期待しているにもかかわらず、札幌の農業が理解されていない状況にあり、とても残念です。
札幌の農業を理解するうえで必要なことは、子ども時代から身近な農業にふれ、そして実際に食べて、農業の豊かさをどれだけ体験できるかにあるのではないでしょうか。
 
 そこで質問です。子どもたちを対象に、どのような食農教育に取り組んでいるか伺います。
 

【中田農政部長】どのような食農教育の推進に取り組んでいるかについてのご質問です。東区の丘珠にあります、「サッポロさとらんど」。そちらのほうでは市民が農業とふれ親しむことを目的として、水田あるいは子ども学習農園を整備しているところでございます。水田では田植えや稲刈り、子ども学習農園ではですね、じゃやがいもやたまねぎ、とうもろこしといったような野菜の植え付けから収穫・調理までを体験することができます。利用状況ですけども小中学校や幼稚園、保育園を中心に幅広い利用が行われており、毎年ほぼ65施設4500人程度が利用しているところでございます。このほか市民農業講座、札幌農学校の修了生など、一定の農業技術や知識を習得した市民を農体験リーダーということで認定しておりまして、この方々に小中学校に出向いていただいて、教材としての野菜栽培の指導などを行っていただいております。昨年は市内37校、46人の農業体験リーダーを派遣しておりまして約7300人の小中学生が農作業の指導を受けたところでございます。中でも東区はたまねぎ「札幌黄」の苗を歴史のある伝統野菜ということで、東区を中心とした小学校30校に配布いたしまして、札幌の農業の歴史を学ぶ教材にしていただいているところでございます。 

【吉岡弘子】 「サッポロさとらんど」を中心にした取り組みをされているというお話でした。
 
 1960年代後半、政府の減反政策や宅地化で休耕田が増えて農業経営が厳しくなって、農家の方が不安や苦境の中で模索した末に選ばれたのがほうれん草でした。
 
 先ほど竹内議員のお話にもありました。「ポーラスター」という名前のほうれん草ですが、その名前には季節や時間に左右されず、位置を変えずにいつも輝いている北極星に農家の方々の農業への思いを重ねたのだと思います。

 私の住む清田区では、たとえばこのような状況がありますが、農業体験に際して農業指導に加えて、そういう背景や栽培の歴史などを子どもたちに伝えることができれば、地域の農業を、より身近に感じることができるのではないでしょうか。


 ここで質問です。2016年度から2025年度までの第2次札幌都市農業ビジョンは来年で折り返しです。今後、食農教育の取り組みと課題について伺います。 

【中田農政部長】食農教育における課題と今後の展開でございます。委員のお話の通り、地域の農業を子どもたちに伝えていくのが重要であると認識しています。
 
 そのためには地域の農業を良く知る、農業者に指導者として学校へ出向いていただくのが効果的ではないかと考えているところでございますけれど、農業体験の時期と農繁期と重なってしまうため、現役農業者が関わるということは非常に難しゅうございます。
 
 そこで今後は、例えば、古くから農業に携わってきた、第一線を退いた高齢の農業者の方に協力をあおいで子どもたちに地域の農業を伝承するといった役割を担っていただくようにはたらきかけて食農教育を推し進めて参りたいと考えています。

【吉岡弘子】 ご苦労して食農教育を進められていることがわかりました。実際に食農教育すすめるためには農業者である指導者の問題もありますし、学校では先生たちも子どもたちも忙しすぎます。

 新潟市は米どころ新潟の農業を持続的発展させるためにあらたな取り組みとして食育農業体験を推進しました。
新潟市の前市長が、フランスでは教育ファームにより農業の関心が高まったことから、新潟市でも取り入れたいと拠点施設構想「アグリパーク」を立ち上げました。子どもたちが将来ふるさとをほこりに思えるような取り組みをしたい、子どもたちを地域で育てようと、官民挙げて協力体制がつくられました。8割の学校で農業体験を実施し、独自の農業体験学習プログラムを児童用、教師用をつくり、教師も研修しながら実践しています。市民が農産物について関心を高めて農家を応援する。そして農業が活性化される。このなかで将来農家になりたいと表明する児童や、15歳の若者が農業サポーター制度に申し込み、導入前後で農家の意識も大きく変わり相乗効果が生み出されています。
教育に農を取り入れたことで、ふるさとへのほこりや、人口減少やエネルギー問題など日本がかかえる課題に対して意識も変わり、先進的な方法で解決をはかろうと地域と学校が一体で取り組んでいます。新潟市の実践から学ぶ点は多々あるのではないでしょうか。

 本市が食農教育をさらに大きく展開するうえでは、札幌市が食農教育を本市全体としてその位置づけをし、本市上げて考えるべきと申し上げ、私の質問を終わります。


※10月11日(金)第2部決算特別委員会の動画は こちら をクリックするとご覧になれます。