2023年11月3日金曜日

災害に強いまちづくりを 暗渠河川の調査について質問

2023年10月24日、吉岡市議は、第二部決算特別委員会で、暗渠河川の調査について質問しました。

決算特別委員会で質問する吉岡市議(=10月24日、札幌市議会)

 

   以下、質問を文字起こしで紹介します。

【吉岡 委員】

 私からは暗渠河川の調査について質問をさせていただきます。

 札幌には石狩川水系、新川水系、星置川水系の3つの水系からなる592本の河川が流れ、その総延長は1192㎞といわれます。

河川は本来、水面があって目に見える開水路が原則ですが、市街化区域の拡大や地下鉄建設、道路整備などに伴い、1960年代から、地下3mから15mに管渠を埋設した水路、いわゆる暗渠河川が整備されており、長さは96㎞に及ぶと聞いています。

本市で観測史上を初めて震度6弱が観測された胆振東部地震では、清田区をはじめ、豊平区、東区、北区などで液状化などによる地盤の流動、陥没に見舞われました。地震の被害の大きかった清田区里塚や、美しが丘などの調査を行った結果、三里東排水の里塚霊園と、吉田川第1排水の吉田川公園の2カ所で暗渠管の変形が確認されました。

里塚霊園では、暗渠管の上部に亀裂がありましたが、漏水はなく補修で済み、吉田川公園では、暗渠管に10mに渡る、潰れと漏水が確認され、2019年に新設工事が行われたと聞いています。

本市では、これまで暗渠河川の本格調査は行っておりませんでしたが、胆振東部地震を契機に、2019年度から5年を費やして暗渠河川の調査を行い、今年が最終年度となっています。
調査は暗渠河川の全延長約96㎞のうち、緊急輸送道路の下を対象としているとお聞きしています。

そこで質問ですが、これまでの調査の進捗状況と、調査内容、結果について伺います。 併せて、埋設してから50年、60年と長期間経過していることによる影響は見られなかったのか、伺います。  

【高桑 河川担当部長】

 河川担当部長の高桑でございます。 暗渠河川の調査の進捗状況と、調査内容や結果についてお答えをいたします。 本市では 胆振東部地震を契機とし、市内にある暗渠河川 167河川、約96kmについて調査を本格的に進めることとしました。

 調査の内容といたしましては、人が歩行可能な暗渠では、調査員による目視確認を行い、人が入れない暗渠では、カメラにより状態確認を行うものでございます。調査には相当の期間を要することから、重要度の高い、緊急輸送道路を優先することとし、まずは令和元年度より縦断的に埋設された13河川、 約16kmについて調査を開始したところであります。

 進捗状況といたしましては、令和4年度までに9河川、約13kmの調査を実施しており、残りの河川についても委員ご指摘の通り、今年度中に調査を完了する見込みでございます。

これまでの調査結果では、設置から約50年が経過した2河川、約3kmを含め、老朽化による損傷は確認されておりません。このことから現時点で、委員ご指摘の長期間経過していることによる影響については、見られてございません。

なお、外部からの衝撃が要因として判断される、軽微な損傷が1箇所確認されましたが、これにつきましては補修を既に完了しております。 以上でございます。

 【吉岡 委員】

 2019年度からの緊急輸送道路下の暗渠河川の調査をすることによって、現在のところ1箇所で問題が確認されたということです。 緊急輸送道路は、災害直後から避難救助や物資を供給するとともに、 緊急車両の通行を確保すべき重要な路線です。万が一、管の破損があれば、道路陥没などの重大な事故につながります。5年間で調査するのは約16㎞ですから、本市の暗渠河川総延長の96㎞から見ると一部にすぎません。大部分は未着手となっています。そこで質問ですが、暗渠河川の調査における今後の取り組みについて伺います。
 

【高桑 河川担当部長】

暗渠河川の調査における今後の取り組みについてですが、緊急輸送道路に縦断的に埋設された河川の調査が、令和5年度で完了する見込みであることから、令和6年度以降は緊急輸送道路を横断する46河川、約26kmについて優先的に調査を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。

【吉岡 委員】 

 緊急輸送道路を横断する暗渠河川を優先して引き続き調査を行うよう検討するとの、ご答弁でした。暗渠河川は目に見えませんので、調査をしなければ正確な状況を把握することができません。引き続き調査していただいて、災害に強いまちづくりを進めることを求めて、質問を終わります。


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