2020年3月4日水曜日

第1回定例会 3月2日建設委員会 建設産業活性化プランについて

2020年第1回定例会 3月2日の建設委員会で 建設産業活性化プラン(案)について質問しました。文字起こしで紹介します。

建設委員会で質問する吉岡市議(3月2日)

【吉岡 委員】 
 私からも、いくつか質問をさせていただきます。
「建設産業活性化プラン」は、50代60代中心で若年層が少なく、将来の担い手不足が深刻な本市の建設産業の活性化を図るものです。建設産業は「インフラの整備維持」に加え「災害時対応」「除排雪」など、安全・安心な市民生活を支える、非常に重要な役割を果たしているということは冒頭のご説明でもありました。
 
 【質問 ①】質問の第一はアンケートについてです。
本市はプランの作成にあたって、札幌市内1056社の建設産業企業を対象にアンケート調査を行いました。
 回収率41%、週休2日の取り組みや、就業環境の改善、助成制度の活用などの項目で2018年と2019年に2回行いました。
 このアンケート調査から読み取れるものは何か。
「担い手確保」のためのアンケートであるなら、従事者の声を第一に聞く必要があると思いますが、どうお考えか伺います。

【天野 土木部長】
 まず1点目のアンケート調査の結果から読み取れるものについてお答えいたします。建設企業への調査の結果では人材不足の状況にあると回答した企業が89%であり、さらに人材確保の見込みについてはすでに問題となっていると回答した企業は50%、また今後不足が懸念されると回答されたものを合わせると93%となっております。このことから多くの企業で人材確保が喫緊の課題となっていることを改めて確認できたところでございます。また就業環境の整備改善の取り組みについては、取り組んでいると回答した企業が71%であった一方、週休2日ですとか、ワークライフバランスの取り組みなど、個々の取り組み内容について見てみますと、まだ十分に浸透していない状況であることがわかったところでございます。
 
 次に担い手、従事者に直接アンケートを実施すべきではという質問にお答えいたします。今回実施したアンケートは、企業の人材不足の状況や担い手確保に対する意識や課題などの把握などを目的としたことから個々の従事者を対象とはしておりませんでした。なお有識者らによる検討委員会においては、建設企業の従事者2名の方にも委員として参加していただき、様々なご意見をいただいたところでございます。今後具体的な取り組みを進めていくなかで、業界との意見交換会における議論などもふまえ、従事者の意見を聴く機会を設ける場合もあるというふうに考えております。以上でございます。


【吉岡 委員】
 このプランの目的は、建設業界で深刻となる高齢化と人手不足をどうするのか、とりわけ若者が集まらない問題をいかに打開するかということだと思います。プランによると道内の建設業就業者に占める29歳以下の割合が減少し続けております。この危機的な状況をいかに打開していくかが今回のプランだと思いますし、そうであるならやはり、下請けで実際に働いている技能労働者の生の声に耳を傾けることが欠かせないのではないかと思います。もちろん、企業の声を聞くことは大切ですが、実際に働いている若い技能労働者の声を聞くことなしに、実効あるプランにしていくことはできないのではないかと思います。
 
【質問 ②】
次に「週休2日工事」の実施拡大について伺います。 

 若年層の入職先として選ばれる産業を目指すうえでも、また建設産業の長時間労働を是正するうえでも「週休2日工事の実施の拡大」は重要です。本プランには「工事での週休2日実施を希望する企業が導入しやすい環境を整えるため、週休2日を前提とした工期を確保し、可能な限り週休2日工事を採用します」とありますが、本市が発注した「週休2日工事」の件数、工事の請負額はいくらか。全体の工事に占める割合はどのくらいになるか伺います。「週休2日工事」を発注した場合、元請けだけではなく、二次三次下請けの従事者が休工日に休めたのか。「週休2日工事」を行った下請け業者からはどんな声が寄せられているか伺います。


【 添田 工事管理室長】
 まず平成30年度、および令和元年におけます「週休2日試行工事」の件数と発注金額。および全体の工事件数と発注金額。並びにそれに対する割合についてお答えいたします。

 まず「週休2日試行工事」の実績につきましては、設計金額が500万円を超える全契約工事の比較でいたしますと平成30年度に契約した工事は1263件。当初契約額の合計にしますと約897億円であります。そのうち「週休2日試行工事」は8件、19億円となっています。割合にしますとそれぞれ1%と2%という形になってございます。また令和元年度に契約した工事は1282件、1035億円であります。そのうち「週休2日試行工事」におきましては71件と95億円となってございます。割合はそれぞれ6%と9%という事でございます。
 
 次に「週休2日試行工事」の下請け企業のアンケートに寄せられた意見がどのようなものだったのか。また下請け企業についても休日は確保できたのかということについてお答えいたします。
 平成30年度に発注いたしました 8件の試行工事うち、これまでに竣工した7件の工事では、いずれも4週8休の週休2日という現場閉所を行いまして、いずれも達成しているところでございます。
 その7件の工事の下請け企業を対象としたアンケートに寄せられました意見といたしましては、休日が増え、稼働日数が減るとどうしても日給月給の方が収入減少となることから、労働者の単価上昇を望むといった声がありました。また週休2日を進めることで若手技術者の入職を期待できるという声もあったところございます。
 また下請け業者の休日取得の件でございますけれども、従業者の約7割が休日を確保でき、約2割が他の現場で働いたといった回答がございました。令和元年度につきましても引き続きアンケートを実施いたしまして実施状況や課題の把握に努めているところでございます。以上です。


【吉岡 委員】 
 私もアンケートを見させていただきました。
2018年度の週休2日工事の下請け企業86社中、55社から回答があって、そのうち23件の意見や要望が寄せられておりました。なかでもそのうちの12件が労務費に関しての意見でした。今お話にもありましたように下請けの企業にとって、この週休2日の中で労務費をしっかり確保するというのが本当に大変だということが伝わってくる、そういう意見が寄せられておりました。下請けのみなさんからの、この声に寄り添った対策が求められます。

【質問 ③】
次の質問ですけれども下請け契約等の適正化に関する啓発の強化についてです。
契約や賃金などが適正に行われるよう、本市はこれまでもすべての入札参加者に対する啓発指導文書を年2回送付していますが、プランでは新規事業として「国の通知の周知徹底に向けた情報発信など、実効性を高めるための取り組みを検討」と書かれています。どのように検討されたのか伺います。


【天野 土木部長】 
 下請け契約の適正化の取り組みについてお答えをいたします。下請け企業を含む建設産業の持続可能な体制を確保するためには、元請け下請け関係の適正化による経営基盤の強化が課題の一つと考えております。そのため下請け契約の適正化に関する企業の役割と、啓発の強化に関する本市の役割を、それぞれ施策に掲げ推進していくこととしております。
  札幌市においては入札参加者に、先ほどお話がありました通り、啓発指導文書を送付するなどの取り組みを行っておりますが、今後より一層効果的な啓発について検討してまいりたいと考えてございます。以上でございます。


【吉岡 委員】
 下請け契約の適正化、そして技能労働者の処遇改善に向けた取り組みは私は特に重要な問題だと思います。今回のプランを作成するために行った1065社を対象としたアンケートには、賃金の実態を把握する項目がありませんでした。労働環境の改善は様々求められているわけですけれど、下請けの若い技能労働者の賃金改善が最も重要であり、求められていると思います。
本市が行っている「元請け・下請け関係の実態調査」でも、賃金を把握するものにはなっていません。しかし、国土交通省は、建設業者約1万4000社を対象に毎年実施している「下請け取引等実態調査」で、技能労働者の賃金実態を明らかにさせています。設問では設計労務単価を「そのまま使用しているか」どうかを問うものになっています。

 私は、本市においても、やろうと思えば可能なことであり、このプランを実効あるものにするためにも、賃金実態を把握していくべきだと求めて質問を終わります。 


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