2020年3月19日木曜日

第1回定例会 3月18日予算特別委員会 みなし仮設入居者支援と市営住宅家賃減免見直しについて

 2020年3月18日 第1回定例会 第二部予算特別委員会で、みなし仮設入居者支援と市営住宅家賃減免見直しについて質問しました。文字起こしで紹介します。

【吉岡 委員】
  私からは、みなし仮設入居者支援と市営住宅家賃減免見直しについて質問いたします。

 1点目はみなし仮設入居者支援についてです。

みなし仮設住宅は、震災などにより住居が確保できない被災者に対し、災害救助法に基づき民間事業者の賃貸住宅を応急仮設住宅として借り上げ、札幌市が提供しているものです。入居期間は2年までとなっており、被災者の住まいと暮らしが再建できるまでの間の支えとなっています。

胆振東部地震以後、95世帯が利用し、現在74世帯が市内の民間賃貸アパートなどに住んでいます。本市は昨年10月からみなし仮設住宅に住んでいる方に、契約期間満了後の住まいの見通しについて調査を行いました。74世帯のうち期限内に見通しが立っているのは18世帯。検討中の世帯は22世帯です。自由意見記載欄には、住宅再建のための資金面や土地の評価額の不安に対しての記載が多かったと聞いております。

本市は被害が特に大きい里塚や美しが丘など4地区については、復旧工事の影響により住宅再建が遅れる世帯については、期間満了後も住宅再建するまでの間の家賃相当額を支払うとしました。
 
 そこで質問ですが、市の復旧工事などの理由以外の、なんらかの事情で満了期間内に再建見通しができない世帯に対しても、一定期間家賃補助をすべきと考えますが、いかがか伺います


【山形 住宅担当部長】
  柔軟な支援をというようなご質問かと思いますが、
市独自の家賃支援の対象としていない場合におきましても、住まいの確保に困ることがないように、対応はしてまいりたいと考えてございます。
具体的には持ち家の再建を希望する方には活用できる支援制度を再度ご案内したり、また、賃貸住宅での生活を希望する方には住宅情報を提供したりするなど、被災者に寄り添った対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。

【吉岡 委員】
 2年にこだわらず支援をしていきたいというご答弁でした。
先ほどの入居者アンケートの意見記載欄には、みなし仮設住宅の延長や、市営住宅や民間賃貸への住み替えについても書かれていたと聞いています。
現在入居している賃貸アパートにそのまま住みたいという方も移転となるわけですが、その場合基本的には再契約のための費用などがかかります。もちろん現在入居している賃貸でなければ再契約費用がかかります。また、市営住宅に移転する方も初期費用がかかります。 

 そこで質問ですが、転居あるいは再契約には費用がかかります。本市として一時金等の支援策を講じるべきと思いますがいかがか伺います。

 【山形 住宅担当部長】

 一時金、一時的に費用にかかる支援というような、ご質問でございます。具体的に費用支援といいますか、加算支援金というものが転居される場合出ますので、そのへんもご案内させていただきますけども、みなし仮設住宅を再契約して引き続き住み続けたいという方に対しましては、スムーズに再契約が進みますよう、貸主とも連絡調整を行うなどの支援を行っていく予定でございます。また敷金など一時的にかかる費用、これが負担が難しいという方につきましては、敷金がかからない住宅の情報を提供するなど居住支援の一環といたしまして支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。

【吉岡委員】
 貸主との連絡調整などもしていただくというご答弁でした。
何らかの事情があって再建の見通しが立たない入居者の皆さんには、それぞれ様々な事情があると思います。2年の期間が満了になった後の暮らしの再建に向けての最後のお一人まで、相談窓口を明らかにしながら、寄り添った対応をすべきと申し上げます。


 次に市営住宅の家賃減免見直しについて伺います。
市営住宅は、高齢者や収入の少ない人など、住宅を借りにくい人へのセーフティネットとして国と地方団体が協力して健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、低廉な家賃で提供するものです。さらに家賃には減免する制度があります。2002年には 5,893世帯だった家賃減免世帯が、2018年には市営住宅入居世帯24,476世帯の37%にあたる9,106世帯と1.5倍に増加しています。

 そこで質問ですが、家賃減免世帯が増加していることについての本市の認識を伺います。あわせて市営住宅の家賃減免を利用している世帯とはどのような世帯か伺います。

【山形 住宅担当部長】
 減免世帯数が増加していることについての認識、それから減免世帯とはどのような世帯かというようなご質問かと思います。
 市営住宅に入居している世帯の平均所得、これを見てみますと、この10年間ほど大きな変動はございません。そういった意味で、所得減によって減免世帯数が増加しているという風には考えておりません。また委員おおせの通りですね、15年間においてはですね増えておりますけれども、この5年間で見ると減免世帯数というのは、ほぼ横ばいという現状でございます。

家賃の減免制度につきまして、私ども入居時の説明会や広報誌でございます「市住ニュースさっぽろ」というものにおきまして入居者の皆様へですね、周知を図っているところでございまして、減免制度を必要としている世帯へ、この減免制度というものが浸透してきているという実態もあろうかというふうに考えているところでございます。

またもう一つのご質問、家賃減免の対象ということでございますけども、収入が著しく低い世帯で、生活保護基準以下の所得であるにもかかわらず、生活保護を受給しておられない世帯ということでございます。以上でございます。

【吉岡 委員】
 周知されたのが増加の理由であろうというお答えでしたけれども、制度を知っても対象にならなければ受けられませんから、制度の対象になる所得の低い人が増えているということです。減免制度の利用者は、収入が少ないけれど減免制度があるから生活できるといっております。

本市は2013年度から減免制度の見直しを行い、アクションプラン2015に盛り込みました。4年間で3億4000万円減免世帯の負担が増えています。

 次の質問ですが、アクションプラン2019にある市営住宅の家賃減免の見直しによる効果額9,549万4,000円の根拠はどのようになっているのか伺います。あわせて家賃減免のどのランクの人がいくらの負担になるのか伺います。

【山形 住宅担当部長】
 アクションプランの根拠、また、どのような階層世帯に影響があるのかというご質問でございます。

1点目の見直しによる効果というところでございますけれども、この現行の減免基準というものは、平成25年改正時の生活保護基準に基づいておりまして、これに減額率を変えずに現在の生活保護基準に合わせたと仮定した場合、どれだけの方々が減免から外れる、あるいは下のランクになるかというような事を仮定した、あくまで仮定の数字でございます。

それからどの階層世帯に影響があるというご質問でございますが、これも減免制度をどのように変更するかということによって変わってまいります。見直し検討するなかで、その辺につきましては調査をしてまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。

【吉岡 委員】
 これから検討されるというお話でしたが、見直しは市営住宅の入居者のうち減免制度を利用する最も所得が低い世帯の負担を増やすという事です。これは大変なことです。生活保護基準の引き下げに合わせては大変な問題があると考えます。

2013年2月、第1回定例会の我が党の代表質問で、国が行った生活保護費を740億円削減したことによる、他の制度への影響についての認識を問われ、当時の秋元副市長は、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分に考慮しながらできる限り影響を及ぼさないよう対応することを基本的な考え方としていると答弁しています。また、2015年予算特別委員会で保護自立担当部長は、平成25年度、26年度、27年度と生活扶助費の基準の改定の度ごとに、できるだけ直接の影響が及ばないようにという通知が国から出ていますので、各関係部局に対しても直接的に影響が広がっていかないようにということで通知しておりますと答えています。

本市は今まで生活保護基準の引き下げが他の制度に影響を
及ぼさないようにしてきたのに、アクションプラン2019で市営住宅の家賃減免基準を生活保護引き下げの基準に合わせることにしたのです。

生活保護基準引き下げは、2013年8月から3年間で最大10%引き下げたのに続いて、2018年10月から3年間で最大5%の引き下げを決めました。今年10月からの見直しは、昨年10月からの引き下げに続いて2回目の引き下げです。このように生活保護基準がどんどん下がっていること自体問題です。

その問題ある基準に合わせて家賃減免を改悪すると、家賃が上がる世帯が増え、今まで減免を受けることでなんとか暮らしていた世帯がその対象から外れてしまうことになります。
健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、低廉な家賃で提供するという趣旨から大きく逸脱し許されるものではありません。

減免制度の趣旨にそぐわない生活保護基準の引き下げに合わせることは行うべきではなく、市営住宅の家賃減免見直しによる負担増はやめるべきと申し上げ質問を終わります。

 質疑の音声はこちらからお聞きになれます。