2020年2月5日水曜日

第4回定例会 12月9日建設委員会 札幌水道ビジョン改訂版(案)について

2019年12月9日(月)の建設委員会で「札幌水道ビジョン改訂版(案)について」質問しました。質疑の様子を文字起こしで紹介します。

【吉岡委員】
 私からも水道ビジョンについて質問をさせていただきます。
水道ビジョンは「札幌市まちづくり戦略ビジョン」の基本的な方向に沿って水道についての個別計画としてつくられました。

 2015年から24年の10年間の計画ですが、事業費や財政収支の見通しは、社会情勢の影響による変動が大きいことをふまえ、計画の折り返しの今年、改訂版が出されました。

 第7章の重点取り組み項目には、健全経営のため財務基盤の強化と経営の効率化として、委託業務範囲の拡大の検討。民間企業が施設の建設・運営を行うPFIを含めた事業手法の調査・検討を進めると書かれています。(資料P57)

 業務委託の範囲がさらに拡大されるのか、どのような業務を対象としているのか伺います。またPFIを含めた事業法の調査・検討とは具体的にどのようなものか伺います。

【小笠原総務部長】
 今後の業務委託とPFIについてでありますが、札幌水道ビジョンの改訂版の案では、今後の事業環境と事業展開の考え方の一つとして、パートナーシップの方向性を示しており、今後増加していく業務に対応するため、業務委託の範囲や内容について適宜見直しを行うこととしてございます。

 これまでも札幌市水道局業務のうち安全安定給水に直結する業務については水道局が担い、その他の分野については水道事業に求められる信頼性が担保されるという事を前提として「さっぽろ水道サービス協会」や民間企業への委託を行い、効率的な運営を行ったところでございます。

 またPFIなどの事業手法の導入につきましては、現在決定しているものはございませんが「札幌市PPP/PFI活用方針」等をふまえ公共施設の整備に関わる総事業費が10億円以上など一定規模以上の対象事業について水道局としても今後調査検討すすめる必要があるとというふうに考えてございます。

 今後も適宜必要な見直しを行うなど健全経営を維持するために必要な業務の施行体制について検討してまいりたいというふうに考えてございます。以上です。

【吉岡委員】
 今お答えになりました安全安心に直結する業務は水道局が担い、その他の分野については信頼性が担保されることを前提とするとおっしゃったんですけど、もう少し具体的にお答えしていただければと思います。

 【小笠原部長】
 札幌市、我々水道局の使命というのは利用者の皆さんに、安全・安心・安定した水を届けるということが前提で、その基幹となる部分については、本来札幌市水道事業は公共が担うとものだというふうに考えてございます。

 ただ一方で事業の効率化のためには委託を進めてきたという経緯がございまして、具体的に言いますと、直営で行っていた業務、作業員とか検針員さんだとか、そういった業務が札幌市水道局にはございました。300名ほどいましたけども、それを札幌市水道協会のほうに移しまして、さらに検針業務については民間事業者ができる部分が増えてまいりましたので、そういったことを十分検討したうえで民間に移してきたという経過でございます。

 基本的には今後の業務委託についても同じような考え方であくまでも安全性が担保されるということを前提に民間委託を進めていくという事でございます。

【吉岡委員】 
 次の質問に移ります。
第5章「今後の事業環境と事業展開の考え方」の4項目(資料P30)に「技術力の低下のおそれ」がありますが、技術の継承について「札幌水道は施設・設備に関する計画・設計・施工管理・運転・維持管理、水質管理、料金事務、財務、広報・広聴など多くの業務を担当する多様な職員によって担われていますが、水道事業を維持・継続していくためには、ベテラン職員が持つ多様な分野の技術やノウハウを次世代の担い手へ確実に継承していくことが必要です」とあります。グラフでは50代60代の職員が全体の4割で、若い世代が減少しています。

 民間への業務委託の拡大は、水道局職員の技術力の低下につながり、ますます技術継承が困難になると思いますが、どのようにお考えか伺います。

【小笠原部長】
 技術力についてでありますが、ビジョン改正版の案では今後の対処すべき事業環境の課題として 技術力の低下のおそれをあげてございます。

 ベテラン職員の退職や業務の委託化などにより、職員が経験に基づきノウハウを取得する場面が減少している一面もあり、技術を継承する機会をいかに確保するかが課題であると認識しています。

 水道局ではベテラン職員が熟知している技術やノウハウを職員が受け継ぐため職場研修を充実させ、各々の職場の日常業務において若手職員の指導育成を図っております。 
 
 また札幌市水道局職員育成における方針を平成29年に策定し、職員研修の内容の充実をはかることにより、水道局職員に求められる幅広い知識や先進的な技術を学ぶ機会を積極的に設けてございます。
 
 今後も人材育成や技術継承の取り組みを重視し、札幌水道の持続的な運営に必要となる技術力の確保に努めることにより次世代につなげていきたいというふうに考えてございます。以上です。

【吉岡委員】
次に第7章についてです。
 「主要事業の15 エネルギーの効率的な活用」(資料P28、P60)についての質問です。水道ビジョンでは、低炭素社会と脱原発依存社会の実現に向けて、水力発電などの再生可能エネルギーの導入を進めるとしています。

 現在、藻岩浄水場の水力発電400kWh(キロワットアワー)などが稼働しており、水道ビジョンでは2024年度末までに再生可能エネルギーの発電量を760kWhにする目標を掲げています。この発電量は約2400世帯分の電力に相当するとお聞きしますが、水力発電など再生可能エネルギーを活用する条件がある水道局として、より積極的目標を掲げ推進していくべきと考えますが、いかがか伺います。

【小笠原部長】 
 再生エネルギーについてでございますが、札幌水道ビジョン改定案では自然の恵みを生かした効率の良いシステムを施設整備の方向性としており、施設整備にあわせて再生可能エネルギーの活用を検討することとあげております。

 水力発電設備につきましては水圧、水量などの技術的な条件を満たし、費用対効果を十分見込めるとして、平岸配水池や「豊平川水道水源水質保全事業」において導入を進めることとしております。

 また太陽光発電設備につきましては立地条件などを考慮して、蓄電池を併設した災害時の非常用電源のシステムとして利用できるものを南部水道センターに導入する計画としてございます。

 今後自然の恵みを生かした再生可能なエネルギーの導入につきましては、技術的な観点、経済的な面を考慮しながら引き続き検討を進めていきたいというふうに考えてございます。以上です。

【吉岡委員】
 今、スペインのマドリードでCOP25が開催中ですが、地球の未来への責任として温暖化対策はまったなしです。水道ビジョンでは南区白川の「豊平川水道水源水質保全事業」いわゆるバイパス事業で1100世帯分に当たる500kWhの水力発電事業が2021年度から計画されていますが、積極的に取り組まれるべきと申し上げまして私の質問を終わります。

 
質疑の音声はこちらからお聞きになれます。