2024年3月22日金曜日

中小・小規模事業者支援について質問

 共産党の吉岡ひろ子市議は、12日の市議会予算特別委で、コロナ禍で売り上げの減少や倒産の危機に直面した事業主を支援する無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」 の返済期限が迫っていることを踏まえて、市の対応をただしました。

予算特別委員会で質問する吉岡市議(=3月12日、札幌市議会)

 吉岡市議は「市のセーフティネット認定件数が1月時点で1362件にのぼり、業者が孤立しないための 伴走型支援が不可欠。借り換え保証のない支援策を6月末まで延長したが、経営の専門家である札幌市中小企業支援センターの体制を強化し、事業者に寄り添った対応をすべきだ」と強くもとめました。

 

「清田区新聞」2024年3月24日号より





 

以下、文字起こしで紹介します。
 

(2024年3月12日、第1回定例会 予算特別委員会)

【吉岡委員】

 私は、中小・小規模事業者支援について質問いたします。 コロナによる経営悪化に陥る事業者支援として始まったゼロゼロ融資は、中小企業、小規模事業者を対象とした実質的無利子・無担保の融資が、2020年3月から2022年9月までの期間で行われました。全国の利用件数は245万件、実行額は約43兆円に上りました。

 地域経済を支える中小・小規模事業者は、今なおコロナ禍に続く原材料、燃料価格の高騰、人材不足などに苦しんでいます。コロナの5類移行後、回復に向かってはいるものの、円安による物価高や光熱費の高騰、人手不足と賃金上昇など、コストが増加し、経営を直撃しています。 企業実績が回復しきれないもとで、コロナで実施されたゼロゼロ融資などの債務の返済開始が昨年夏にピークとなりました。

 国は2023年1月、ゼロゼロ融資の返済が本格化する現状を踏まえ、ゼロゼロ融資の借換保証として、伴走支援型特別保証制度を創設しました。

 本市の伴走型経営改善資金の融資に乗り換えるためには、セーフティネット4号などの4項目のいずれかに該当しなければなりません。 該当すると認定されれば、伴走型経営改善資金を申し込むことができます。

 国はゼロゼロ融資の返済開始の最後のピークと言われる今年の4月を前に、3月31日までのセーフティネット4号の認定機関を3ヶ月間延長すると発表したところです。

 そこで質問ですが、本市におけるセーフティネット認定件数と、伴走型経営改善資金の実績、融資額及び事業者規模について伺います。

 【将中 経営支援雇用労働担当部長】

 経営支援雇用労働担当部長の将中です。 セーフティネットの認定件数と、伴走型経営改善資金の件数、融資額、その事業者規模についてお答えいたします。

  セーフティーネット保証は、売上や粗利益の減少により経営の安定に生じている事業者などの資金繰りを支援するものであり、令和5年度の認定件数は令和6年1月末時点で1362件となっております。セーフティネット保証の認定を受けた事業者も対象となる、伴走型経営改善資金については、民間ゼロゼロ融資等からの借り換え需要などに対応しており、 札幌市で運用を開始した令和5年2月以降、令和6年1月末までに524件で、約130億円の融資が実行されているところです。 この資金を利用している事業者規模については、従業員が20名以下の事業者で、件数では全体の約83%、融資金額では全体の約74%となっております。また、従業員が5名以下の事業者に絞ってみても、件数では全体の約47%、融資金額では全体の約30%となっており、小規模事業者にも広くご利用いただいていると認識しております。 以上でございます。


【吉岡委員】

 130億円の融資ですから、伴走型経営改善資金が地域経済に果たす役割は、大変大きいことが分かります。 一方で、本市におけるセーフティネット認定件数は、今お答えになった令和5年度で見ると1362件ですが、伴走型経営改善資金の実績は、ほぼ同時期で524件ですから、差があることも分かりました。 セーフティネットの認定件数の割に、伴走型経営改善資金が少ないのは、北海道による同様の借り換え融資制度の活用が大きいとの事です。しかし、認定されて融資を申し込んでも、融資されずにあきらめる例がなかったのか、借りられない企業や、個人事業者の方が、多数いらっしゃるのではないかと心配するところです。借り換え融資の申込の際には、5年先までの経営行動計画書の作成と、金融機関から継続的な伴走支援を受けなければなりません。具体的な計画が求められており、財政分析など専門的なことも含まれるため、小規模事業者にとってはハードルが高いという声を聞いています。そこで質問ですが、札幌市中小企業支援センターにおける、今年度の相談件数と相談内容について伺います。

【将中 経営支援雇用労働担当部長】

 札幌中小企業支援センターにおける、相談件数と相談内容についてお答えいたします。 令和5年度の相談件数については、令和6年2月末時点で約7000件となっており、主な内容としてはセーフティネット保証の認定にかかる申請等が約2700件、創業に関わる相談が約2650件、経営相談が約500件となっております。経営相談の内容としては、資金繰りや融資、補助金、雇用関係、事業展開など様々な相談が寄せられております。 以上でございます。

 【吉岡委員】

 今年度もっとも多いのがセーフティネットについての相談で、これはゼロゼロ融資の借換の申請に関わる相談が2700 件ということになります。本市の令和5年度上半期札幌市企業経営動向調査結果では、令和5年度下期の見通しでは、売上高、経常利益ともに下降しています。 物価高騰が経営に影響していると回答した1079社中、危機的な影響がある6.3%、かなり影響があるが50.8%で、合計すると6割に上っており、資金繰りについては2割が苦しいと回答しています。 

 政府が借換保証などの支援策を6月末まで延長することにしました。本市としても経営行動計画書の作成がネックとなっていると、実情と相談件数から推察されますので、事業者の皆さんへの援助として経営の専門家である、札幌市中小企業支援センターの体制を強化するなどし、寄り添った対応を取られるよう求めまして、質問を終わります。

 

 

こちらから質問の音声がお聞きになれます