3月2日、総務委員会で「札幌市バリアフリー基本構想2022案」について質問しました。
質問する吉岡市議(=3月2日、総務委員会) |
以下、質疑を文字起こしで紹介します。
【吉岡委員】
私からも、札幌市バリアフリー基本構想2022(案)について質問をさせていただきます。高齢者、障がい者等の移動の促進に関するバリアフリー法の2020年法改正では、障がい者の移動の権利が附帯決議として採択されました。
本市は、2015年と2020年の法改正を受けて、札幌市バリアフリー基本構想を改定中です。構想案は、誰もが、お互いに思いやり、支える未来のまちを目指すことを理念とし、ハード・ソフト両面からのバリアフリー化とともに、重点整備地区を推進するとしています。
質問いたしますが、基本構想の重点整備地区の考え方について伺います。
【坪田 総合交通計画部長】
総合交通計画部長の坪田でございます。重点整備地区の設定の考え方についてお答えをいたします。基本構想では、駅施設や地域中心地域交流拠点を中心とした半径500メーター程度の区域を重点整備地区に指定をし、区域内の駅、道路建築物などのバリアフリー化を重点的に一体的に推進することとしてございます。
改定案では、国のバリアフリー化の基本方針などをもとに、対象とする駅施設の1日平均利用者数の選定基準を3000人以上と定めた結果、従来の53地区に加えまして、新たに「八軒地区」を重点整備地区に指定をすることといたしました。
また、路面電車が路線のループ化や低床車両の導入により、乗車人員が増加傾向にあることに加えまして、その沿線には観光施設や支援学校のほか、多くの生活関連施設があることなども踏まえまして、新たに「路面電車沿線地区」を指定をし、重点整備地区は合計で55地区となったものでございます。
また、従来から指定をしてまいりました53地区につきましても、生活関連施設の立地状況に基づき、必要に応じて対象範囲の見直しを行っており、「苗穂地区」では、駅の移転や周辺の再開発事業などを考慮いたしまして、駅北側の区域を追加拡大したものでございます。以上でございます。
【吉岡委員】
続きまして、当事者の声を生かした市有建築物のバリアフリー化についてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
【坪田部長】
市有建築物のバリアフリー化の当事者の声の反映についてお答えをいたします。
札幌市では、建築物や道路、公園などの整備に際しまして、障がいのある方や高齢者などの意見を反映するためのバリアフリーチェックを実施してございます。市有建築物の場合は床面積が2000平米以上の比較的大型の建築物の新築や増改築を対象といたしまして、設計段階と施工段階で図面や現地のチェックを行うものであり、障がい者団体と高齢者団体が選定する当事者により実施をしてございます。
これまで具体的な反映内容といたしましては、平成28年に実施をいたしました。白石区総合庁舎の現地調査におきまして、2基のエレベーターに誘導する点字ブロックから、操作ボタンまで手が届かないとの意見を反映をし、点字ブロックの位置を修正したほか、ガラスの自動ドアに切り抜きの白い文字表示が背景の白い壁と重なり見にくいとの意見を反映いたしまして、背面に黒いシートを貼るなどの対応をいたしました。以上でございます。
【吉岡委員】
当事者ならではのリアルな声がそれが反映されたということでした。整備の進め方として、公共交通特定事業、そして道路特定事業、建築物特定事業などを定めていますけれど、特定事業を定めることが、バリアフリー化にどういう効果があるのか、また、本市独自のバリアフリー化を進める上での支援策についても伺います。
【坪田部長】
まず特定事業を定めることの意義についてお答えをいたします。特定事業は、バリアフリー法に基づいて、重点整備地区内の移動などの円滑化に関する事業を定めるものでございまして、道路や交通安全、公共交通などのハード整備に関する事業と、ソフト対策に関する教育啓発特定事業からなり、基本構想案では、それぞれの特定事業の2030年度までの基本方針と、現時点で実施を計画している事業を記載しているものでございます。
特定事業を定める意義といたしましては、事業を実施する各施設管理者が特定事業計画と呼ぶ実施計画を作成をし、これに基づき事業を実施する義務が課せられるものでございます。またその効果といたしましては、各施設管理者間で特定事業計画を共有をし、連携を図ることで、重点整備地区での重点的かつ一体的なバリアフリー化の促進に繋がることが挙げられます。
次に、バリアフリー化の促進に向けまして札幌市が実施しております補助金の事例についてお答えをいたします。バスやタクシー事業者のバリアフリー車両導入に対します補助ですとか、小規模な民間建築物のバリアフリー改修に対する補助をしているところでございます。以上でございます。
【吉岡委員】
整備目標年度は、全ての信号機や学校施設の段差解消などのバリアフリー化は2025年、令和7年、そして道路や公園のバリアフリー化率は100%が2030年になっています。
札幌全市では55ヶ所の地区の重点整備をするということですけれど、障がいを持っている方々が障がいによる不安などから、外出をためらうことのない本市にするためにも、事業の加速化が求められると思います。障がいのある人や、そして高齢者が安心して住めるまちは、市民みんなにとって安心のまちですから、そのような基本構想になると良いと思います。以上で私の質問を終わります。
質疑の音声はこちらからお聞きになれます。