10月7日、札幌市議会 第3回定例会 第二部決算特別委員会で、つるつる路面の対策について質問しました。
![]() |
| 決算特別委員会で質問する吉岡市議(=2025年10月7日、札幌市議会) |
以下、文字起こしで紹介します。
【吉岡 委員】
私は、つるつる路面の対策について質問いたします。すすきのの中通りで長年飲食店を経営している方から、「駅前通りの大きな道路は除雪が行われていますが、数多くある中通りにもビルや店舗があり、そこは 除排雪が行き届かず、つるつるやガタガタ路面で困っている。 夜間行き交うアルコールの入った方や、インバウンドなど、観光客が転倒し危険なことから、対策を取って欲しいとの声を聞いております。
そこで質問ですが、 すすきのの中通りの除排雪はどのように行われているのかお聞きします。またすすきの地区の地元に対し、砂まき活動はどのように 協力依頼をしているのかお伺いいたします。
【茂木雪対策室長】
雪対策室長の茂木でございます。2点ご質問があったかと思いますが、 まず1点目のすすきの地区の中通りの除排雪につきまして、お答えいたします。
すすきの地区の中通りは日常的に荷捌き等行う、路上駐停車車両がありまして、道路脇に雪をかき分けてしまうと荷捌きに支障をきたすということがございまして、 新雪除雪などが行えず、踏み固められた路面の圧雪がかなり厚くなってしまっている状況が実際にございます。
そのため基本的には年1回、沿線のビルですとか店舗などのご協力いただきまして、作業日程をしっかり調整した上で、路面の圧雪を削り出して、同時にその雪を排雪するという作業を行っているところでございます。
続きまして、つるつる路面対策ということで、すすきの地区の砂まき活動は、どのように協力依頼を行っているのかということにつきまして、お答えいたします。 すすきの地区を含む中央区では、地元向けに砂まきの協力を求める チラシを配布しているほか、商店街連合会を通じまして、各商店街に砂まきの協力を依頼しているところでございます。 以上でございます。
【吉岡委員】
すすきのの中通りの除排雪については、路上駐車が多いことから除排雪が難しいということですけれども、一般的な道路除雪方法だけではなくて、市がすすきの地域の方々と状況に合わせた対策、年に一度取られているということでしたけれども、さらに検討していただきたいと思います。 また砂まきについては、ビルのオーナーがしていると聞いています。中通り全体で見ると危険な状況のまま残されている箇所もあるとのことです。
ウィンターライフ推進協議会が、札幌市消防局によるデータを基にした転倒による、年平均救急搬送者数のワースト20地点、 1996年から2021年までの平均によりますと、20地点のうち、南4西3など9箇所がすすきのエリアです。 そこで質問ですが、外国人を含む観光客への転倒事故対策はどのように取り組んでいるのか伺います。
【茂木雪対策室長】
外国人を含む観光客への転倒事故対策につきまして、どのように取り組んでいるのかについてお答えいたします。 外国人を含む観光客への対応といたしまして、現在、冬道での転倒防止につながる啓発活動を行っております民間団体がございまして、そういった団体などと連携して、砂箱の使用や冬道を歩く際の注意点、そういったものを多言語によるホームページへの掲載、それから多言語のパンフレット、そういったものを配布などに取り組んでいるところでございます。 引き続きこのような取り組みの強化によりまして、冬道に不慣れな観光客にとりましても、安全・安心な冬の道づくりを推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。
【吉岡委員】
民間事業者の周知活動、またホームページと多言語のパンフレットを本紙として発行しているとのことですけど、すすきのの冬道の転倒による救急搬送は飛び抜けて多いですから、対策を強化することが必要ではないでしょうか。冬期間のつるつる路面はすすきのに限らず全市の問題です。 先日のマスコミ報道では本市の砂箱の設置が増えていて、市としては 今後担い手が減少する懸念もあり、砂箱を設置してほしいという要望への対応は難しいとありました。そこで質問ですが、市内には何基の砂箱が設置されているのか、また今後、地域などから砂箱設置の要望があった場合に、どのように対応するのか伺います。
【茂木雪対策室長】
砂箱が何基設置されているかということと、それから、今後地域などから砂箱の設置の要望があった場合、どのように対応をしていくのかということにつきましてお答えいたします。
令和6年度シーズンの実績といたしまして、坂道の車道にまいていただくことを想定したものとしましては2263基。それから歩道や横断歩道にまいていただくことを想定したものとしましては1929基。合計4192基、砂箱を設置したところでございます。
将来的に雪対策における担い手が不足する懸念はございますけれど、現時点ではまだ砂箱の砂を補充する人員が確保できないという状況ではございません。砂箱の設置につきましては、市民との共同のもと、安全・安心な冬期歩行環境を確保する上で重要な施策であると考えております。 地域から要望を受けた場合には、砂箱を設置するスペースの有無、それから近隣の砂箱の設置状況などをもとに、必要性を判断した上で設置してまいりたいと考えております。以上でございます。
【吉岡委員】
市が必要性を判断した場合には設置するとのことですが、新聞報道を見て設置を我慢したり、諦めたりする方がいるのではないでしょうか。 回覧板や広報などで砂箱についての周知をすることなどが必要ではないかと思います。
今年度第1回目の市民意識調査で、「生活道路の状況で最も重視すべきものは何ですか」の質問に対して、16.6%の方が気温の低下によるつるつる路面対策を挙げています。年代別に見ると 29歳以下が最も多い 19.9%、 ついで60歳代18.6%、70歳代18%と続きます。
本市の2009年以降の「雪道の自己転倒」救急搬送概要、 12月から3月までによりますと、2009年から2022年までの14年間の平均は年1,049 件ですが 2023年には過去最高の1887件、2024年には2番目に多い1813件と増加傾向です。
つるつる路面となった小さい交差点でしたけれども、四つん這いで渡る 高齢女性がいて手助けをしましたけれども、大変衝撃を受けたことがありました。気候変動によって冬期の気温が上昇し、今までは雪が降っていた時期に雨が降ることが増え、真冬には雪があまり解けなかった地域で、雪が解けたり凍ったりを繰り返しやすくなり、つるつる路面が生じやすくなることも言われています。
砂をまいて対処するのは一時的な対策ですから、安全・安心の雪道のために、除雪と合わせた地域の冬道の状況に見合った対策を取ることを求めて質問を終わります。





