2013年8月24日土曜日

「はだしのゲン」を閉じ込めないで

 鳥取県松江市教育委員会が、市内の小中学校に、原爆や戦争

の悲惨さを描いた 中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」の閲覧

を、昨年の暮れから制限したことが、この8月に明るみになり、大

きな問題になっています。 教育委員会の制限の背景には極右

的な流れが透けて見えています。


 
 この動きのなかで、漫画「はだしのゲン」が、改めて見直されて、

例年の3倍の売れ行きです。
 「性的描写」などが過激で子供には問題ーーといいますが、そう

いうことをごまかし、きれいごとでは原爆や戦争の真実は伝えられないでしょう。


 「平和教育」を考える上で、「はだしのゲン」がになった業績はは

かり知れません。


 
 松江市教委は26日に教育委員の会議を開いて正式に今後の

方向をきめるようですが、松江市には、約2000人の市民から意見

が届いていますが、大半は「閲覧制限の撤回」です。


 今朝、しんぶん「赤旗」日刊紙に、一巻の表紙が大きく掲載され

ていましたーー主人公ゲンと、ゲンが背負っている栄養失調で死

ぬ赤ん坊の友子、原爆で死ぬ弟進次が、しんぶんを通じてさえ、

絵から飛び出してきそうな勢いです。

悲惨ななかにあっていきいきと輝いています。

じっと見ていたら、涙が滲んできました。

なぜ涙が出たのだろうかーー「ゲン」を「友子」を「進治」を暗闇の

なかに閉じ込めてはならないーー早くだしてあげなくては…という

気持だったのかもしれないし、原爆や戦争で犠牲になった人を社

会から葬らせてはならないという気持ちかもしれません。

 もっと考えれば、「ゲン」や「友子」や「進治」にわが子を重ねたの

かも知れません。